杭基礎の配筋について – 株式会社東恩納組

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2025年9月26日建築部

杭基礎の配筋について

皆さんこんにちは!建築部の新垣(元)です。

今回のブログをお伝えしていきたいと思います。

 

そもそも杭基礎の配筋とは、建物の荷重を確実に地盤へ伝える為に欠かせない重要な工程です。

杭自体が地中に沈んで荷重を支えるのに対し、杭頭部と基礎スラブを繋ぐ部分には複雑な鉄筋が組まれています。

 

そこで代表的な配筋が、「ベース筋」と「ハカマ筋」です。

ベース筋とは杭頭部を取り囲むように配置される横方向の鉄筋で、杭と基礎との結合を安定させる役割を持ちます。

これにより杭頭部に生じる力を分散させ、コンクリートとの付着力を高めます。対してハカマ筋は、杭の主筋をまとめるように下から覆う補強筋で、名前の通り袴の形に似ています。
主筋の座屈防止や、杭頭部の耐力を高める役割を果たすため、杭基礎には欠かせない配筋です。

さらに基礎全体では「大梁」や「小梁」といった梁筋も重要です。

大梁は基礎スラブを横断する主要な梁で、建物からの大きな荷重を杭へと伝達します。
一方、小梁は大梁の間を補う梁で、局部的な荷重分散やスラブのたわみ防止に貢献します。
大梁と小梁は一体となり、基礎全体を盤のように剛強にまとめ上げる役割を持っています。

また、上部構造と基礎を繋ぐ「柱筋」も忘れてはいけません。
柱筋は建物の柱の主筋で、基礎の鉄筋と定着している為、柱から伝わる鉛直荷重や水平力を基礎へしっかりと伝える働きをします。
柱筋が杭基礎や梁筋と連続して配置される事で、建物全体の一体性と鋼性が高まり、地震や風に対して強い構造となります。

このように、杭基礎の配筋は「ベース筋で繋ぎ」「ハカマ筋で支え」「梁筋で固め」「柱筋で上部と結ぶ」という仕組みになっています。
見た目は複雑でも、それぞれの鉄筋には明確な役割があり、建物の安全性を守る為緻密に設計・施工されています。

 

今回はここまで、以上新垣でした。

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