梁配筋-カットオフ筋について- – 株式会社東恩納組

STAFF BLOG

スタッフブログ

2026年2月17日建築部

梁配筋-カットオフ筋について-

皆さん、こんにちは建築部の花城です。

最近の沖縄は少しずつ暖かくなりつつありますが、まだまだ朝晩は冷え込む日もありますので、体調管理には十分注意してください。

私は仕事中、着こんだり脱いだりの繰り返しで大変です。

早く夏にならないかな~、と思ったりもしますが。いざ夏が来ると冬が恋しくなります。

結局ないものねだりなのかなと思います。

せっかくなら、その季節をポジティブにとらえて、趣深さを感じるように過ごしてみようと努力してみます。

さて余談はここまでにして。本題に入ります。

 

今回のブログでは 鉄筋工事の梁配筋-カットオフ筋について少し深堀してみようと思います。

 

■ カットオフ筋とは?

梁の主筋(引張鉄筋)は、梁全長にわたって同じ本数が必要なわけではありません。

梁には、

  • 支点付近 → 大きな曲げモーメント
  • スパン中央 → 比較的小さな曲げモーメント

というように、曲げモーメント分布があります。

そのため、

必要鉄筋量が減少する位置で一部の主筋を途中で切り上げる――

これが「カットオフ筋」です。

■ なぜカットオフするのか?

① 構造合理性

曲げモーメントに応じて必要鉄筋量は決まります。

常に最大本数を通す必要はありません。

② コスト・施工合理性

不要な鉄筋を入れ続ければ材料費増加、配筋過密、施工性低下につながります。

必要なところに、必要なだけ。

これが鉄筋コンクリートの合理設計です。

 

■ でも、どこで切っていいの?

ここが重要です。

単純に「モーメントが小さくなった位置」ではなく、

✔ 必要鉄筋量を満たす位置

✔ 定着長さを確保できる位置

✔ せん断力の影響を考慮した位置

でカットします。

実際の設計では、

  • 許容応力度設計
  • 保有水平耐力計算
  • 終局曲げ耐力

などに基づいて検討されています。

 

■ 現場で気をつけたいポイント

① 定着長さ不足

カットオフ位置が正しくても、

定着長さが足りなければ意味がありません。

特に柱梁接合部付近では要注意。

② スターラップとの干渉

カットオフ位置付近は

  • 応力変化が大きい
  • せん断力が大きい

ケースが多く、あばら筋(スターラップ)ピッチが細かい場合もあります。

配筋検査時は、

「切れているからOK」ではなく、構造意図を確認することが大事。

③ 変更時のリスク

現場で安易に

「ここまで延ばした方が楽だから」

「切る位置をずらそう」

という判断は危険です。

カットオフ位置は構造計算に基づくもの。

変更する場合は必ず設計確認を。

 

■ 実は“弱点”にもなり得る

カットオフ部は応力が再分配されるポイントです。

地震時には塑性ヒンジの発生位置にも影響します。

特に耐震設計では、カットオフ位置の扱いが重要になります。

構造設計者が慎重に決めている理由はここにあります。

 

■ まとめ

カットオフ筋は単なる「鉄筋の節約」ではなく、

✔ 曲げモーメント分布

✔ 定着

✔ せん断力

✔ 耐震性能

これらを総合的に考えた結果です。

図面を読むときに

「なぜここで切っているのか?」

と一歩踏み込むだけで、施工管理の質は一段上がります。

 

今回のブログはここまでとします。ご清覧ありがとうございました。

建築部 花城