絶対必要給水管!
こんにちは!
建築部 新城です!
前回は通気弁についてご紹介しましたが、今回はその際に触れた給水管についてご紹介します!
まず給水管とは?
しっかりとろ過と消毒を施したきれいな水を送るための配管の事で、上水管ともいいます。皆さんが普段使っている水道水は全てこの給水管を通っており、安全の基準もしっかりクリアしたものになっています。
その安全基準を満たすために浄水施設というのがあり、沖縄で5カ所存在しています。↓
①取水口・・・川やダム等から水を採取
②沈砂池・・・水の中のゴミを落す
③着水井・・・浄化する水の量を調整
④混和地・・・薬品を入れ水に溶けたものを塊にする
⑤沈殿池・・・細かい砂や塊を落す
⑥ろ過池・・・砂を通し水をろ過
⑦塩素注入・・・塩素を入れ消毒
⑧調整池・・・浄化終わった水を保管
⑨ポンプ・・・配水池へ水を送る
⑩配水池・・・各施設や家庭へ
↑施設内容としてはざっくりこんな感じ
僕も直接見たことは無いのですが、24時間365日フル稼働で万が一不具合があった時のために複数台稼働しているとのこと!
この工程を終えて給水管を通り僕達の家に届くのですが、ここで一つ疑問が出ます。
沖縄には41の市町村があり、那覇市だけでも155,544の世帯(令和3年2月調べ)が存在します。それ以外にも公共施設や、会社、お店など水を使う場所はたくさんありますが、果たして5カ所しかない浄水施設だけで全ての家や公共施設にちゃんといきわたるのか?
一応いきわたります!
しかし、集合住宅やビルなどの高さのある建物にそのままでは無理です。
じゃぁどうするのか。
方法は大きく5つあります!
1.水道直結直圧方式
給水管をそのまま建物に繋ぐ方式。低層住宅(1~2F)に多い。
メリット :水質が空気に触れずに使えるので汚染の可能性が一番低い。
停電時も水の使用可能。
デメリット:地域によって水圧の変化がある。
低層にしか使えない。(中層以上だと届かない)
浄化施設に近ければ文句無し!
2.水道直結増圧方式
増圧給水設備(増圧ポンプ+逆流防止装置+水圧制御装置)を設置したもの。
メリット :中層(約3~6F)まで可能。
地域によらず水圧は一定。
デメリット:設置にスペースが必要。
機械の定期メンテナンスが必要。
停電の際に止まる。(発電機取付で使用可)
急な停電に対処出来ないのは痛いですね。
3.高置水槽方式
屋上に水槽を設置しポンプで水槽に水を溜めて、重力で各部屋に供給する方式。
メリット :大規模建築も可能。(高層の場合低層階に強い圧力がかかるため減圧弁などで対処が必要)
停電の際に水槽の分利用可能。(発電機取付で使用可)
デメリット:設置スペースが必要。
水槽が外部にあるため水質汚染の可能性が非常に高い。
沖縄はほとんどこの方式ですねぇ。
4.ポンプ直送方式
一度受水槽に溜めポンプで送水する方式。
メリット :大規模建築も可能。
水圧を自動制御するため、一定の圧に調整できる。
デメリット:自動制御の費用が高い。
停電すると使えない。(発電機取付で使用可)
自動制御装置はかなり高額なようです。
5.圧力水槽方式
受水槽からポンプで圧力水槽に移し、圧縮空気を用いて送水する方式
メリット :大規模建築も可能。
デメリット:時間によって圧が変化する。
水に空気が溶けているため、配管の腐食が進みやすい。
万が一配管から水漏れとなると、水道代、濡れた壁紙の張替え等々、、、
以上の5つです!
この設備があることにより、多少浄化施設より離れていようが、高層ビルだろうがどこにでも水が届くんです!
ちなみに、水質汚染に少し触れていますが、建物が使用されなかったり、利用している人が極端に少ない状況が長時間続いた場合に水槽の中の水が腐ってしまいます。なので建物の管理をしている方は定期的に水質のチェック、若しくは、水を一定量流してあげるなどの対策をしないと、体調不良や配管の急激な劣化等を招く恐れがありますので気をつけましょう!
今回は以上となります。
僕は最近設備関係の記事を挙げることが多くなていますが、設備はとても大事です。
いくら綺麗な見た目のカッコいい建物を作ろうが、照明が点かない、水が出ないなんて言ったらただの「物」です。昔は雨風凌げれば良いだったかもしれませんが、それでいいのであれば僕らはハッキリ言って要らないのです。
ですが、我が社の理念の、『人を守り、心地よく、美しい家造りで明日を築きます』にもあるように居心地の良さも含めて建物だと思っています。
なので今後も現場の状況や、ちょっとしたニュースも含めご紹介しますので今後もよろしくお願いします!
建築部 新城でした!