「(仮称)グレイスハイム上間新築工事」5月度進捗状況報告
ブログをご覧の皆さん、約1ヵ月半ぶりの再会となります。
建築部の上地です。
さて、本工事も7月からの造成工事着手以来、現在は寒さに苦戦しながらも何とか予定通りに進捗することが出来ている状況であります。令和5年5月初旬までに5階床躯体打設まで完了しまして、本ブログが公開される5月中旬頃は6階躯体部の柱壁枠の建込みまで完了したところであるでしょう?、計画工程よりは若干(8日程度)早めの進捗で推移している状況となります。正直なところ、本建物の基礎のボリュームを考えますと”早い時期に工程の挽回が出来”、ホットしているところであります。今後は作業場所がどんどん高い場所へと移動して行きますので「墜落災害、飛来落下物災害」に留意した安全対策を目指してまいります。
それでは、前回から3回に分けてお届けしております、ブログのテーマですが建築業界で最近よく耳にする「Low-Eガラス」について今回も一緒に勉強しましょう。第2回目は「Low-Eガラスの定義」「エコガラスの定義」 ※ブログの内容構成にあたっては「窓リフォーム研究所」のネット掲載記事を一部引用しておりますのでご了承ください。
その前に現在の現場状況をご覧ください。
令和5年5月3日の現場全景写真(北東側より観る)
さて、本題のブログの内容に移りたいと思います。
●「一枚ガラス」・「複層ガラス」・「Low-E複層ガラス」の違い
なぜ「Low-Eガラス」が必要かを考える際、熱の伝わり方についてみていくと非常に分かりやすいです。そもそも熱の伝わり方には、「伝導」・「対流」・「放射」の3種類が存在しています。
それぞれの熱の伝わり方のイメージは次の通りです。
◇伝導:物質を介して熱が伝わること
例:鉄の棒を持って反対側を火で熱すると、手で持っている部分も徐々に熱くなる。
◇対流:液体や気体が循環して熱が移動すること
例:お風呂を沸かした時、表面は熱いが底は冷たい(温められた水が上部へ移動)。
◇放射:赤外線によって熱が運ばれる現象
例:直接触れているわけではないのに、太陽の暑さや暖房器具の暖かさを感じる。
そして、「一枚ガラス」・「複層ガラス」・「Low-E複層ガラス」は、この熱の伝わり方に対する効果が異なっているのです。下の表は、各ガラスがそれぞれの熱の伝わり方に対して、効果のある・なしを表にまとめたものです。
ガラスの種類 | 伝導 | 対流 | 放射 |
一枚ガラス | × | × | × |
複層ガラス | ○ | ○ | × |
Low-E複層ガラス | ○ | ○ | ○ |
通常の「一枚ガラス」は、ただのガラスなので良く熱を伝えてしまいます。また、「複層ガラス」はガラスとガラスの間に、ガラスより熱伝導率の低い空気の層(中空層)を設けることで、「伝導」・「対流」を抑制しますが、「放射」に対しては有効ではありません。
その点「Low-E複層ガラス」は、Low-E膜の働きにより赤外線を吸収・反射するので、「放射」に対しても有効です。
実はここがポイントなのですが、複層ガラスを介した熱の移動の内、約6割が「放射」による移動といわれ、いかにして「放射」による熱移動を抑えるかが断熱性UPの鍵となるのです。そして、この「放射(Emissivity)」を抑えるのが、「Low-Eガラス(Low Emissivity=低放射)」ということになります。
以上今回は「一枚ガラス」・「複層ガラス」・「Low-E複層ガラス」の違いについての第1回目という形でお届けしました。
次回第3回目は”「Low-E複層ガラス」の効果”などについて、勉強したいと思います。
それでは、今回はこれにてブログを閉じたいと思います。それでは次回にまたお会いしましょう。
By 建築部 上地 透