「耐火被覆」について
皆さんこんにちは!建築部の新垣です。
今回のブログは「耐火被覆」について書いていきたいと思います。
耐火被覆って何!?と思われる方が多いと思いますが、簡潔にまとめると
「鉄骨に施される耐火性能のある材料のこと」となっています。
目的としては、万が一火災になった場合に、建物の倒壊を防ぎ避難をする時間をかせぐ事が耐火被覆を行なう目的となっています。
耐火被覆の施工方法として、ただ鉄骨に吹き付ければいいのではなく色々な工法、種類、他にも30分耐火や3時間耐火など….
法令で定められている事がいくつかあります。
それでは始めに、耐火被覆の5つの工法についてお伝えしたいと思います。
まず1つ目にもっとも多く用いられている耐火被覆の工法で、耐火材吹き付けという工法があります。
特徴としては、施工費が比較的安価で美観性はあまり良くないというのが挙げられます。
仕上げは、短所でもある美観性があまり良くないという点を補う為に、天井や柱を石膏ボードなどで囲って見えなくするケースが多いそうです。
次に、2つ目に成形板張り工法という工法があります。
表面がフラットで硬い為、そのまま仕上げ下地用としても使う事ができ、板状で形状に合わせた加工も容易である事から、工期短縮にも繋がるという大きなメリットがあります。
3つ目は耐火材巻付け工法という工法です。
固定ピンによりワンタッチで材料を固定する事ができる為簡単に施工ができ、水を使用しない為、養生をする必要がないという特徴があります。
4つ目はラス張りモルタル塗り工法です。
ラス網(金属製の網)をステープル「ホッチキス」等で止め、それを下地として上にモルタルを左官鏝で塗り付ける工法です。
ラスモルタルは1980年代まで、日本の一般住宅の外壁に最も多く使われていた工法だそうです。
5つ目は耐火塗料工法という鉄骨の柱・梁などに、直接塗布して使用する工法です。
「耐火塗料」による耐火塗装は他の工法と違い、外観が鉄骨に塗装を施しただけのように見えるそうで、鉄骨そのものを建物の意匠として露出させることが出来るという面白い特徴があります。
しかしその反面、他の工法と比べて高価であるというデメリットがあります。
それでは次に、耐火被覆の耐火時間と厚みの関係性についてお伝えしたいと思います。
耐火被覆は主に主要構造部(柱・梁・床・屋根・階段)に施します。
しかし、主要構造部に耐火被覆を行う際、すべての部位が同じ被覆性能という訳ではなく、階数や部位によって厚みや耐火の時間が変わってきます。
上の図を見たら分かる通り、最上階及び最上階から数えた階数が2以上で4以内の階では、梁,柱及び床の耐火性能は1時間以上、同階数が5以上で14以内の階ではそれぞれ2時間以上の耐火性能が必要となります。
それに加え間仕切壁は全ての階1時間耐火となっており、外壁(非耐力壁)は延焼の恐れがある部分か無い部分で分かれ、ある部分が1時間耐火、無い部分が30分耐火という事が分かります。
上の図は主要構造部の部位事の耐火時間と厚みの規定が記載されていますが、耐火被覆を施すのが「梁」なのか「柱」なの「床」なのかによっても異なる為、自分達現場監督もしっかり現場での施工管理を行う事がとても大切になってきます。
現在私が配属されている中小企業振興会館の現場では、1F柱,梁の耐火被覆吹き付けが行われていますが、私自身初めての耐火被覆で分からない部分も色々とありますので、日々の勉強を怠らず努めていきたいと思います。
以上、建築部の新垣でした。