あと施工アンカー 樹脂系アンカー
皆さんこんにちは!
建築部玉城です。
早いものでもう4月になりましたね。
4月は入社・入学・新年度と始まりの季節でもありますのでこれを機に目標を新たに取り組んでいくのもいいかもしれません。
さて、今回は現在行っている耐震補強工事で使用している樹脂系アンカーについて施工写真も交えてお話していきたいと思います。
まず初めに接着系アンカーとは
穿孔した孔とアンカー筋の隙間を接着剤で充填し、硬化させることでアンカー筋と母材を物理的に固着するアンカーの事を言います。
固着原理としては
アンカー筋表面の凹凸部とコンクリート孔側面の凹凸部に接着剤が密着することで相互に掴み、この付着力でせん断抵抗、引っ張り力に抵抗する力を得ます。
コンクリート孔側面の凹凸部が付着力に影響する為、ブラシ掛け清掃と集塵がとても大事であり、ダイヤモンドコアドリルであけた際は孔側面の凹凸部がない為に側面をあらかじめ傷つけるなど一工程を挟む必要があります。
樹脂系アンカーの大まかな分類としましては金属系アンカーと変わらず接着アンカーかそれ以外のアンカーとなります。
それが細分化されますと下の図のように分かれていきます。
それぞれの特徴としてまずカプセル方式から上げていきます。
下のようにカプセル状の容器内に主剤・硬化剤・骨材が入っており、そのカプセルを施工時に資材にあった施工方法(回転打撃・打込み)でカプセルを破砕・混合することにより樹脂が硬化し固着力を得るものとなっています。
正しい方法で施工しないと主剤と硬化剤が十分に混ざらず硬化不良となるため注意が必要となります。
また孔の大きさ、仕上厚が追加されている場合は深さなどに応じて十分に充填できるように事前に調査し追加したりロングタイプを使用するなど気を付けないといけません。
カプセル方式ではガラス管式の他にもフィルムチューブ式(溶着タイプ・クリップタイプ)・紙チューブ式など種類があります。
カプセルの分類・内容物については下の図のようになっています。
そして注入方式ですが
事前に主剤と硬化剤を十分に混合攪拌させた後ガンを用いて注入するタイプ、そして下図のように主剤と硬化剤を同時に押し出し、スパイラル状になったノズル内で混合し直接注入するタイプがあります。
注入方式の施工方法としては
孔底から注入しアンカー筋を打込んだ際アンカー筋の周りからあふれているのを目視確認し、十分に充填されていることを確認します。
樹脂系アンカーの施工手順としては
1.墨出し
2.ドリルマーキング
3.穿孔
4.集塵
5.ブラシ掛け
6.集塵(2回目)
7.穿孔深さ確認
8.アンカー筋マーキング
9.カプセル挿入
10.アンカー筋打設
11.硬化養生
となり基本的には金属製アンカーと同じになります
この期に前回でもお伝えしたように引張試験など行っていく流れとなります。
今回実際に施工に立ち会ったことで本だけでは見えてこない部分も勉強でき、とても為になったので次の機会にも活かせるようにもう少し深い部分も勉強していきたいです。
以上
建築部玉城でした。