アスファルト防水
皆さんこんにちは、建築部の富田です。
今回は、アスファルト防水について掲載します。
まず、アスファルト防水とは溶かした液体状のアスファルトとアスファルトルーフィングと呼ばれるシート状の防水材を組み合わせて防水層を作る工法の事です。
アスファルトルーフィングを溶かしたアスファルトで密着させながら積層するので、高い水密性や耐久性を持った防水層を形成することができます。
100年以上の歴史を持っており実績と高い信頼性があるため現在でも多くの現場で使用されており、主に建物の屋上で用いられるそうです。
アスファルト防水は、施工方法によって3種類に分類することができます。
まず1つ目は熱工法です。
↑画像:ネット参照
この工法はアスファルトを200~270℃に熱して溶かしたものを流し込み、そこにルーフィングを貼り重ねて防水層を形成する工法です。
現存する多くの建物で採用されており、歴史ある工法で信頼性が高い工法といわれております。
続いて2つ目はトーチ工法です。
↑画像:ネット参照
トーチ工法はルーフィングの裏側をバーナーで炙って溶かしながら施工していく工法になります。
この工法は改質アスファルトルーフィングというものを使用します。
改質アスファルトルーフィングとは従来のアスファルトルーフィングにゴムや樹脂などを加えて強化したものです。裏側にはアスファルトがついているのでそのアスファルトを溶かしながら貼り付けていくという仕組みになります。
従来の工法ではアスファルトを溶かす作業とルーフィングを敷き込む作業を別々で行っていましたがトーチ工法ではそれを同時に進めることができるので効率的に施工が行えます。
ただ、アスファルトがしっかり溶けているかどうかの判断が難しく施工難易度の高い工法でもあります。
最後に3つ目は常温工法です。
↑画像:ネット参照
常温工法は唯一熱を使わずに施工する工法です。
ルーフィングの裏面にゴムアスファルト粘着層をコーティングすることで熱を使わずに下地に密着させることができます。
この工法は熱を使う工法に比べると防水性能は劣りますが、熱を使わないことでにおいや煙の発生を防ぐことができるので環境にやさしく都市部でも施工できるという特徴があります。
アスファルト防水には様々な工法がありますが
共通して言えるメリットとしては以下のようになります。
・防水性・耐久性が高い
アスファルト防水は熱を用いて下地と密着させる工法が多いことや、アスファルトルーフィングを重ねて層を形成するので高い防水性があります。
さらにほかの防水工法と比べて耐久性も高いので長い期間に渡って性能を維持することができます。
・即効性がある
アスファルト防水は施工後すぐに防水性能を発揮することができます。
ほかの防水工法で使用される塗料やウレタンなどは乾燥・硬化するまでにある程度の時間が必要ですが、アスファルト防水の場合はアスファルトが冷えるとすぐ硬化するので、
短い時間で性能を発揮できます。
・押さえコンクリートなどの表面加工が可能
アスファルト防水は表面加工することができ保護コンクリートで覆ったり、砂で仕上げたり様々な方法で使用目的に合わせて施工できます。
デメリットとしては以下のようになります。
・においや火事のリスクがある
熱工法やトーチ工法では熱でアスファルトを溶かす工程があるため火災のリスクがあります。また、溶けたアスファルトが強いにおいを発する場合もあるので、アスファルト防水を施工する際は周辺環境に十分注意する必要があります。
・木造住宅や複雑な形状の場所には不向き
アスファルトルーフィングはかなり重い素材になっており、それに加えてアスファルトを重ねるので重量がかなりあります。そのためあまり強固ではない木造住宅には適していません。また、凹凸が多い場所や機械が複雑に設置されているような場所もシートが重ねにくいので向いていません。
今回はここまで。
以上、建築部の富田でした。