コンクリートあれこれ~その6~【劣化:ひび割れ】
皆様こんにちは。
工事部のチカラです♪
昨日から3月に入りました。
昨日は県立高校の卒業式でしたね☆
卒業生の皆様、ご卒業おめでとうございます。
これからの未来を若者たちが羽ばたいていけますように☆
今回からのコンクリートあれこれはコンクリートの劣化要因を書いていきたいと思います。
コンクリートの劣化現象は様々なものがあり、下の図のようなものがあります。
今回はまずコンクリートのひび割れについて触れていきましょう。
【コンクリートのひび割れ】
はじめに、日本コンクリート工学会によると、コンクリートは本質的にぜい性(硬くて脆い)材料とされていて、鉄筋コンクリート構造物のひび割れは宿命的なものと考えられています。現状の技術では、ひび割れの発生を完全に防止することは非常に困難と言われています。
ひび割れのパターン
ひび割れの発生原因
しかし、コンクリートのひび割れは全てが問題というわけではありません。
建物にもたらす障害によって有害なものと無害なものに区別されます。
ここでは鉄筋コンクリート構造物の耐久性上有害なひび割れについて説明させていただきます。
鉄筋コンクリート構造物の耐久性上有害となるひび割れは、下記のように大きく3つに分けられます。
1.鉄筋腐食先行型
鉄筋の腐食が先に進行した結果、生じるひび割れ。
鉄筋腐食先行型の劣化過程は、中性化や塩害など(後ほど説明致します。)の原因で鉄筋が腐食し、かぶりコンクリート(鉄筋表面からコンクリート表面までのコンクリート)が鉄筋に沿ってひび割れが発生します。
その後、かぶりコンクリートがはく落するケースなどに至っていきます。
よって、ひび割れの幅に関わらず有害なひび割れとされています。
2.ひび割れ先行型
鉄筋の腐食を促進させる原因となるひび割れ。
なんらかの原因によって生じたひび割れが、鉄筋の位置まで達し、有害となるひび割れ幅まで大きくなった際、そのひび割れから二酸化炭素や水分などが侵入し、鉄筋腐食を進行させます。
例:水分の侵入
鉄筋腐食が進行した場合、鉄筋腐食先行型と同じくかぶりコンクリートがはく落するなどのケースに至ります。
また、ひび割れ先行型はその発生原因について進行性であるかどうかを見極めることが重要とされています。
たとえば、急速な打ち込みよるひび割れや、初期養生中の急激な乾燥によるひび割れなどはコンクリート打設直後に発生し、短期間に進行が止まります。また、乾燥収縮によるひび割れなども数年で進行が終了するとされています。
なので、進行性でないひび割れについては施工中や完成後の早い時点で補修を行えば、耐久性の低下に対処できると考えられています。
※進行性のひび割れについては「劣化ひび割れ」にて↓
3.劣化ひび割れ
コンクリート自体の劣化を表す進行性のひび割れ。
乾燥収縮によるひび割れとは違い、アルカリシリカ反応、凍害によるもの、化学的腐食(酸・塩類によるもの、中性化等)、繰り返し負荷する荷重による疲労ひび割れなどの現象は進行性であり、ひび割れの発生によって、コンクリート自体の組織が緩んでいき、強度低下に至ります。
そのまま放置しておくと、コンクリート自体の劣化が部材の崩壊につながっていきます。
なので、このような劣化は事前の対策によって生じないようにすることが重要と考えられています。
今回はここまで!
次回は錆汁について触れたいと思います☆
このような劣化の補修方法に関しては一通り劣化要因の説明を行った後に説明いたします。
以上、現場のチカラでした♪