スリットについて
皆さんこんにちは、土木部比嘉です。
沖縄も梅雨入りし、雨天が続きますが体調を崩さないように気をつけましょう。
今回は、スリットについて掲載していきます。
1955年に起こった阪神淡路大震災で鉄筋コンクリート造の建物において柱や梁、壁がつながっている状態で建物が揺れたときに建物の一部に集中的な力がかかってしまい、柱がせん断破壊を起こし倒壊により多くの被災者を出しました。
この教訓から、柱と梁と壁を切り離すことで、構造力学上応力を他部材に伝達しないよう隙間を設ける構造スリット(耐震スリット)の取り付け施工が行われるようになりました。
スリットは設置する場所で呼び名が変わります。簡単に説明すると縦に設置するのが「垂直スリット」、横に設置するのが「水平スリット」
垂直スリット
水平スリット
耐震スリット・構造スリット
耐震・構造スリットとは、地震によって建物が揺れた際の力を逃がし、一部に集中的にかかってしまうことを防ぐために設けられるものです。
スリットは、柱と梁、壁というブロックごとに考えて、切り離すようにして作られます。スリット部分には、鉄筋を連続させずにパッキンなど緩衝材を挟みます。
補助的な鉄筋を入れて構造的に完全に分離しないようにもできます。スリットを設けることで、地震の際に建物が揺れたとしても、力が分散され、建物の損傷を防ぐことができます。
スリットのリスク
外壁の構造スリットには止水性と耐火性が求められ、止水は外部側を二重シールとし、内部側も必ずシールを行います。
特に水平スリットは水返しの段差を設ける納まりにし、耐火性に関してはロックウール(岩綿)を密実に充填する必要があります。
中地震でも変位が発生するため、シールは切れやすく、定期的なシールのメンテナンスも必要となります。
今回はここまでとします。
以上、土木部比嘉でした。