中小企業振興会館建設事業施設建築物新築工事より
皆さんこんにちは、建築部の富田です。
今回は、塗床について掲載します。
塗床とは、床下地であるコンクリートの上に仕上材を直接塗って仕上げた床のことです。
塗床は、下地となるコンクリートを保護する目的で施工され、耐久性や美装性を上げる役割があります。
塗床は主成分の種類により無機系と有機系(合成樹脂系)の2種類に分けられます。
まず無機系塗床とは、無機系の鉱物等の自然素材をベースにした塗床です。
特長としては、
・コンクリート表面と比較して、数倍の耐摩耗性を有する。
・表面が緻密で硬く仕上がるので、高い耐衝撃性を発揮する。
・コンクリートと同様の成分なので燃えにくい。
・主成分が鉱物等の無機系材料なので自然に優しい。
・比較的紫外線に強い。
といったものがあります。
無機系塗床の施工方法は、コンクリート打設時に散布する「コンクリート一体型」と、既存のコンクリートに塗り付ける「硬化コンクリート塗り付け型」があり、
「コンクリート一体型」はコンクリートが硬化する前に施工を行い、コンクリートと一体化させるので塗膜が剥がれにくく、強靭な床に仕上がります。
「硬化コンクリート塗り付け型」は既存のコンクリートに下地処理を行い、その上に材料を塗り付ける工法で、改修工事などに適しており、剥離する可能性はありますが優れた耐久性を有した床に仕上がります。
無機系塗床の用途は主に駐車場、物流倉庫、自動製造工場等、車両の往来が激しい場所や、強い衝撃が加わりやすい場所、不燃性を求められる場所です。
次に有機系(合成樹脂系)塗床とは、「ウレタン樹脂」「エポキシ樹脂」などの合成樹脂を主成分とした塗床のことです。
有機系塗床は、種類によって役割や特徴がさまざまなので、代表的なものを紹介します。
「硬質ウレタン樹脂系塗床」
特徴
耐摩耗性・弾力性・耐衝撃性に優れている。
湿度が高い環境では、発泡しやすく施工時に注意が必要である。
「エポキシ樹脂系塗床」
特徴
接着性・耐荷重性・耐薬品性に優れている。
耐候性・低温硬化性に弱く、太陽光や蛍光灯などで変色しやすい。
「アクリル樹脂系塗床」
特徴
比較的安価で施工も簡易的である。
主な用途は防塵で、耐摩耗性や耐薬品性は低いが最も一般的に使用されている。
「MMA樹脂系塗床」
特徴
速硬化性に優れていて、工期を短縮できる。
マイナス20度の低温下でも硬化する性質を持っているため、冷蔵倉庫等の床にも施工することができます。
耐薬品性や抗菌性に優れている
有機系(合成樹脂系)塗床の用途は厨房、クリーンルーム、精密機械工場等、塗膜の継ぎ目を作りたくない場所、耐薬品性が高い場所、なるべく掃除がしやすい場所です。
今回はここまで。
以上、建築部の富田でした。