建物基礎や杭について
皆さんこんにちは! 建築部の大城です!
今回は建物を支える基礎について綴っていきたいと思います。
建物は地面に対し建てられますが、その建物の全荷重を地面へ伝え、支える役割を担う部位の事を「基礎」と呼びます。
基礎にもいくつか種類があり、大きく分けて2種類「直接基礎」と「杭基礎」が存在します。
○直接基礎
直接基礎は言葉の通り、地面に直接コンクリート製の基礎を作り、建物を支える方法です。
●ベタ基礎 |
地面全体にコンクリートを敷き、点ではなく面で支える構造です。 建物の重量が分散される為、耐震力に優れている特徴があります。 また、主に住宅等の比較的軽い構造物に採用されています。 |
●布基礎 |
柱の真下に逆T字型のコンクリート構造物を作り、それを柱間で繋げ、支える構造です。 ベタ基礎と比較すると、地面への接地面積が少なくなりますが、その分コンクリート量を減らすことが出来る為、コストを下げることが出来ます。 |
●独立基礎 |
柱の真下のみに独立した基礎を設け、建物を支える構造です。 また、独立基礎同士を梁(基礎梁や地梁と呼ばれる)でつなぎ、より強固にすることもあります。 |
○地盤改良
基礎は地面(支持層)に設置しますが、その支持層が柔らかい場合、不動沈下を起こす恐れがあります。その為、支持層を固くするために地盤改良を行うことがあります。
●表層改良 |
表層の軟弱な地面全体に対し、セメント系の固形材を混ぜ、固めることで、大きな支持力を発揮することが出来ます。元々の地面から2m程の深さまで改良することが出来ますが、表層改良した地層よりも真下に、建物を支えることが出来る強固な支持層がある必要があります。 |
●柱状改良 |
ドリルで円柱状に掘削し、セメント系の固形材を混ぜることで、土の中にコンクリート状の柱を作ります。また、8m程の深さまで改良することが出来ます。 |
○杭基礎
建物を支える支持層が表層近くに存在しない場合は、より深い所にある支持層まで杭を打ち込み、建物を支える必要があります。
●PHC杭(プレテンション方式遠心力高強度プレストレスコンクリート杭) |
工場で製作される杭で、高強度コンクリートを使用、さらに計画的に圧縮力を加えること(プレストレス)で、より強固な杭となっています。 また、遠心式締固めを行うことでコンクリートが密実になり、品質もよく、さらに強固となっています。 |
●鋼管杭 |
工場で製作される杭で、鋼材を使用しており、形はパイプ状となっています。太い鉄パイプをイメージされるとわかりやすいと思います。鋼管杭は軽量の為、運搬や取扱いもしやすく、製作も容易の為、杭の長さを自由に調整することが出来ます。しかし、鋼材が材料の為、土中の水分で錆などの腐食が発生する為、腐食しろの分板厚を厚くしています。 |
●場所打ちコンクリート杭 |
上記2つの杭と違い、工場ではなく工事現場にて製作される杭で、大口径の杭を製作することができ、大きな重量の建物などに使用されます。地面を柱状に掘削し、鉄筋で組まれたかごを挿入、コンクリートを流し込み製作します。製作時に大きな騒音や振動が発生しない為、周辺環境にやさしい工法となっています。また、杭本体は運搬せず、材料のみを運ぶため、運搬や取扱いも比較的容易です。しかし、工程が多く、工期が長くなるといったデメリットも存在します。 |
建物を支える基礎には、様々な種類や工法があるのがわかったと思います。
各々の特徴をしっかりと理解し、業務に役立てたいと思います。