安全とは
こんにちは!建築部の小橋川です。
今回は建設業で1番大切な安全について書いていこうと思います。
まず皆さんにとって安全とはどういう意味でしょうか?
私が最初に思ったことは危険が一切ないことだと思っていました。
ですがそれは半分正解で半分間違いです。
安全とは「受容できないリスクがないこと」と定義されています。
言い換えると、安全な状態であっても「受容できるリスクは存在している」と言えます。
例えば、クレーン作業での吊り荷の下にいるのはもし吊り荷が崩れた場合下敷きになるため受容できないリスクです。逆に受容できるリスクとは極端にはなりますがファイルの紙切れ一枚めくるだけでも指を切ることです。この場合は怪我が起きる頻度も低いうえ怪我をしたとしても少し指を切るだけのため受容できるリスクになります。
では工事現場などで安全を確保するためにはどうすればよいでしょうか?
それは日々のKY活動(危険予知活動)やリスクアセスメントなど徹底していく必要があります。
KY活動(危険予知活動)とはさまざまな方法がありますが代表的な方法が4ラウンド法です。
4ラウンド法では、各業者のグループに分かれて仮定した状況からどのような危険があるかを議論します。4段階で議論を進行し、問題解決に取り組む方法です。以下では各ラウンドについてご紹介します。
第1ラウンド
第1ラウンドは危険を発見する「現状把握」です。仮定の状況として、作業現場に近い写真やイラストなどを準備します。イラストを見て、どんな危険が潜んでいるか、どんな行動をすると危険になるかなどの意見を出し合います。
第2ラウンド
第2ラウンドは危険性を理解する「本質追及」です。第1ラウンドで発見した危険性を、なぜ危険なのか話し合います。メンバーの意見を聞き、重要度の高いポイントには印をつけましょう。危険度の優先順位を共有できれば、自分勝手な行動による危険も回避できます
第3ラウンド
第3ラウンドは解決策を考える「対策樹立」です。どんな行動であれば危険を排除できるのか議論します。解決案のポイントは主体的な考え方です。他人事ではなく自分事として問題をとらえ、「自分ならどうするか」を考えます。
第4ラウンド
第4ラウンドは実際の作業を想定した「目標設定」です。第3ラウンドの解決策を前提に目標を定めます。
上のイラストのように書きたとえば、鉄筋屋さんだと鉄筋を組んだスラブで躓き転倒に気を付けるためにワイヤメッシュを敷くことや、大工だと電動のこぎりでのけがを防ぐために手袋を付けることを徹底することです。
次にリスクアセスメントについて説明します。
まず、社長や工場長などの経営側トップが、リスクアセスメントの導入・実施を決意表明することから始まります。それから、リスクアセスメントの実施責任者と推進メンバーを立て、全従業員にリスクアセスメントの実施を周知します。下の図が例となります。
リスクアセスメントは、労働災害防止対策が必要な時期に実施することがポイントです。
主な必要な時期は下の図になります。
No | リスクアセスメントの実施時期 |
1 | 建設物を設置する、移転する、変更する、又は解体するとき。 |
2 | 設備を新規に採用する、又は変更するとき。 |
3 | 原材料を新規に採用する、又は変更するとき。 |
4 | 作業方法又は作業手順を新規に採用する、又は変更するとき。 |
5 | その他、次に掲げる場合等、事業場におけるリスクに変化が生じ、又は生じるおそれがあるとき。 ア 労働災害が発生した場合であって、過去の調査等の内容に問題がある場合 イ 前回の調査等から一定の期間が経過し、機械設備等の経年による劣化、労働者の入れ替わり等に伴う労働者の安全衛生に係る知識経験の変化、新たな安全衛生に係る知見の集積等があった場合 |
リスクアセスメントの流れとして
情報の入手(リスクアセスメントで重要な作業が、職場に潜む危険性・有害性を裏付ける情報や資料の収集)→危険性・有害性の特定→リスクの見積もり→見積もったリスクの大きさに応じて対策→リスク低減措置の検討・実施・記録となります。
リスクアセスメントとKY活動(危険予知訓練)の違い
上記の説明だとKY活動(危険予知活動)とリスクアセスメントの違いが分かりにくいため下の図に簡単にまとめました。
リスクアセスメントと危険予知活動(KY活動)の違い | |||
実施 | リスクアセスメント | KY活動 | |
いつ | 設備、作業方法、作業手順等を新規採用または変更するとき | 毎日又は作業の都度 | |
どこで | 主に事務所、会議室などで | 主に作業現場で | |
誰が | 作業者、監督者、管理者、安全スタッフが | (組織全体で)作業者、監督者が | |
何を | 設備や作業手順(書)を対象に | 作業を対象に | |
どのように | 作業を思い起こしながら、手順に従って | 作業場を確認しながら | |
危険の程度(優先順)を数値化などで明確にして | 危険の有無で | ||
よく話し合い、時間とお金をかけて安全な設備、作業方法に改善 | 即決・即断で危険を回避 | ||
なぜ | 職場や作業に潜む危険を根本的に減らすため | 作業に潜む危険に迅速に対応するため |
たまにKY活動(危険予知活動)とリスクアセスメントを一緒だと考える方もいますのでこのブログを見て違いが分かってくれるといいですね!
以上小橋川でした!