擁壁工の種類について – 株式会社東恩納組

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2024年6月5日土木部

擁壁工の種類について

皆様こんにちは、土木部の玉城です。
今回のブログは「擁壁工の種類」についての記事と致します。

擁壁には大きく分けて7種類あります。

そもそも擁壁とは、土砂の崩壊を防ぐために土地を支える構造物で土工に際し用地や地形等の関係で土だけでは安定を保ち得ない場合に、盛土部及び切土部に作られる構造物を擁壁といい、擁壁を構築する一連の行為を擁壁工といいます。

1.重力式擁壁とは、自重によって土圧に抵抗する形式の擁壁である。また、重力式擁壁と同様な形式の半重力式擁壁は、設置場所や地形条件等により、躯体幅を重力式擁壁より薄くする必要がある場合に用いられる。

2.もたれ式擁壁とは、地山または切土部にもたれた状況で本体自重のみで土圧に抵抗する形式の擁壁であり、山岳道路等で道路面を片切り片盛りする場合や道路拡幅の際の腹付け擁壁として用いられることが多い。

3.ブロック積(石積)擁壁とは、通常のブロック積(石積)擁壁は、主としてのり面保護を目的に用いられる。このため、背面の地山が締まっている切土、比較的良質な裏込め材料で十分な締固めがされる盛土等、土圧が小さい場合に適用できるものとした。また、重要な場所への適用に当たっては、現況を十分把握し、裏込め土の土質条件や施工条件等を綿密に検討したうえで採用する必要がある。

4.片持ばり式擁壁とは、それを構成するたて壁と底版の各々が作用荷重に対して片持ばりとして抵抗する構造である。片持ちばり式擁壁は、たて壁の位置により逆T型擁壁、L型擁壁、逆L型擁壁、逆T型擁壁のたて壁と底版を結合する控え壁や支え壁を設け全体の剛性を高めた控え壁式擁壁、支え壁式擁壁に分類されます。

5.U型擁壁とは、側壁と底版が一体となりU字型あるいはそれに類似の形状を有する擁壁であり、その形式は堀割式と中詰め式に大別される。

6.井げた組擁壁とは、プレキャストコンクリート等の部材を井げた状に組んで積み上げ、その中に割栗石等の中詰め材を充填する構造の擁壁である。井げた組擁壁は、コンクリート部材と中詰め材の重量により土圧に抵抗する構造で、透水性に優れることから特に山間部等で湧水や浸透水の多い箇所に適した擁壁である。

7.プレキャストコンクリート擁壁とは、近年施工の省力化や工期の短縮等を図るために、プレキャスト製品のコンクリート擁壁等が用いられることがある。プレキャスト製品のコンクリート擁壁には、構造形式がL型の製品が多く、また擁壁の規模に対応し、躯体をT型または箱型断面としたプレキャスト部材を積上げ、鉄筋や現場打ちコンクリートと併用して構築する製品等がある。

基礎構造は大きく分けて直接基礎杭基礎があります。

・直接基礎は、擁壁からの荷重を擁壁底面より基礎地盤に直接伝えることで安定する基礎形式。なお、地盤改良や置換え土により改良した地盤上に擁壁を直接設ける場合も直接基礎に分類する。

・杭基礎は、杭を用いた基礎で、擁壁からの荷重を底版と結合した杭により基礎地盤に伝えることで安定する基礎形式となります。

※参考文献 道路土工 擁壁工指針(平成24年度版) 公益社団法人 日本道路協会

擁壁は奥が深く興味深い構造物です。

より品質の高い構造物を作っていくため日々勉強に励みたいと思います。

記事は以上となります。

最後まで御清覧頂きありがとうございました。

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