施工図とは – 株式会社東恩納組

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2025年1月30日建築部

施工図とは

こんにちは!建築部の小橋川です。

皆さんは建物を建てるとき、何を見て施工していると思いますか?

私はこの業界に入るまでは、設計図を見て施工していると思っていました。

ですが実際に建てるときは設計図ではなく、施工図を見て施工していきます。

今回は、設計図と施工図の違いについて、説明していこうと思います!

 

設計図とは?

設計図とは建築図面と呼ばれ建築主、設計者、施工者の間にどのようなものを建築するのかという認識を共有し、確実に交互の意思疎通を図るための重要な手段となるものです。また、設計図書というものがあり言葉は似ていますが違いとしては建築工事を行う際、必要な図面に仕様書を加えたものが設計図書です。
仕様書には、工事目的や施工方法などが具体的に記されており発注者側は、設計図書を見積もり段階で受注者に提示し、発注者の意図を正確に伝えます。

設計図書は、主に以下の4種類に分類されます。

意匠図

意匠図とは、建物の形態や間取りなどのデザインを伝えることを主とした図面です。
配置図、塀地図、屋根伏図、平面図、立面図、断面図、展開図などが意匠図に当たります。

構造図

構造設計者が、意匠図を元に構造計算を行い、その結果を図面として現したものです。
柱や梁(はり)などの部材や接合部など、実際に建物を建てる際に必要な情報が描かれています。
木造住宅においては、基礎伏図、床伏図、梁伏図、小屋伏図、などがこれに当たります。
この構造図を基に、施工者が建物を建てます。

設備図

建物の設備に関する図面です。
給水、排水、給湯、空調、ガス、電気などの配管や配線、機器の取り付け位置、コンセントの数などが記されています。
住宅の設備ごとに図面があり、電気設備図、給排水衛生設備図、空調換気設備図などがこれに当たります。

外構図

建物本体以外の設置物や造作物などが記された図面の事です。
門、塀、庭園、植栽、アプローチ、駐車スペースなどの外構部分の仕様、形状、位置などが記されています。

 

施工図とは?

施工図とは実際に施工する際に必要な寸法や材料の種類や数量が記載されている図面です。

施工図の種類は主に3つです。

・仮設計画図

・躯体図

・仕上げ図

仮設計画図

仮設計画図は簡潔にいうと、建物を作るために必要な準備の図面です。
具体的には「足場図面」や「仮囲い図」「搬入経路図」が挙げられます。

<足場図面>

足場図面は足場を設置するために必要な図面で、建物を建てる際ほとんど必要とされます。
作成する際は、耐荷重の安全や現場の状況などを考慮しなければいけません。

<仮囲い図>

仮囲いとは現場の周りを囲う壁を設置することを指します。
単純に現場の周りを囲えばいいものではなく、通行人などの第三者の安全を守るために設置箇所を考えなければいけません。

現場が稼働していることを掲示しなければいけなく、どこに掲示物を設置するかも記載します。

<搬入経路図>

搬入経路とは、建築資材や機器等の搬入する経路を指します。
この図面がないと、どこから搬入をすればいいか分からず効率よく搬入をすることができません。
搬入トラックなどの幅を確保できるか、搬入した後スムーズに搬入車が現場から出られるかなどの検討も必要です。

躯体図

躯体図は構造を考える上で必要な図面で、主な種類が「床伏せ図」「断面図」です。

<床伏せ図>

床伏せ図とは、床の仕上げ材がない状態の床の構造がわかる図面です。

床伏図には、柱、梁、基礎、壁の配置やサイズが盛り込まれています。

<断面図>

断面図とは建物を縦に割った断面の図面です。
断面図によって床の厚みや梁の高さを把握することができます。
どこで区切った図面かわからなくなることがあるので、しっかり平面図と連携させることが重要です。

仕上げ図

仕上げ図とは内装や器具設置などに必要になる図面です。
主な種類としては、「平面詳細図」「割付け図」「天井伏せ図」があります。

<平面詳細図>

平面詳細図は平面図を詳細に示した施工図です。
平面詳細図は間取りに加えて仕上げや収まりなどを記載している図面です。
主に内装工事の施工時に見られる図面で、内装以外の業者もこの図面には目を通し、完成時のイメージを固めます。

<割付け図>

割付け図は床タイルカーペットやレンガなどの配置を決定する図面です。
タイルカーペットやレンガは1つ1つの部材の大きさが決まっているので、どこから配置するかを決めないと端部が非常に小さくなってしまうこともあります。

割付け図は仕上がりを見栄え良くするために必要な図面です。

<天井伏せ図>

天井伏せ図は天井に設置する器具や仕上げ材が記載された図面です。
照明器具や点検口・換気口等の配置が記された図面で、電気工事や設備工事・消防工事の業者には必須になります。

天井伏せ図にて各工種の器具の位置関係が把握でき、各器具の芯を合わせたりすることもあります。

 

施工図と設計図の違い

簡単にまとめると、設計図は計画段階で建築基準法やその他の法令に適合するように作成され「施工図」とは設計図を基に作られる図面で、なおかつ内容は設計図よりも細かい情報が書かれている図面となります。

今回はここまでとします。

以上小橋川でした!

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