沖縄の住宅事情、高騰する土地・建築費と所得のジレンマ
こんにちは。
不動産事業部の上原です。
早いもので今年も残り僅かですね。
毎年12月は落ちつているのですがギリギリまで仲間が頑張ってご契約をいただいていてありがたく思いました。
大きな案件も進んでいますので来年は更に良くなれるように頑張りたいです。
今年も色々ありましたが、印象的な出来事として「住宅(土地または建物など)を買いたくても買えないお客様」からのご相談がいくつかあったことです。
お客様のご事情は様々で一概に言うことは出来ませんが、感じて考えてみたことをブログにしていきたいと思います。
まず、沖縄では「自分の家を持つこと」が人生の大きな目標の一つとされ、持ち家志向が非常に強いことを感じます。
実際に私自身も持ち家に憧れて住宅を購入しました。
しかし、近年の土地価格の高騰と建築費の上昇は、この夢の実現をますます困難なものにしているのではないかと思います。
そこで、沖縄の不動産・建築市況と実情および、お客様の属性的な課題点、それがもたらす影響から解決策まで考えてみました。
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1. 止まらない土地価格と建築費の高騰
近年の沖縄では、インバウンド需要の増加や本土からの移住者増加などにより、住宅用地の価格が著しく高騰していることはニュースでもご存知かと思います。
那覇市やその周辺の人気エリアでは、坪単価が100万円を超えることも珍しくありません。
その影響が沖縄本島全域に波及しており全体的に土地価格が上昇しております。
さらに、建築費も上昇の一途をたどっており、ウクライナ情勢などによる世界的な資材価格の高騰・人手不足による人件費の上昇などが影響し、RC造住宅の建築費は数年前と比較して2割以上も上昇していると言われています。
建築費の上昇は一時的なものと思われておりましたが、現在の建築業界を取り巻く環境では更に上昇していくことも考えられます。
特に、RC造が主流という沖縄特有の建築事情がこの問題に拍車をかけており、RC造に比べてコストの低い木造住宅も選択肢として増えてきておりますが、まだまだRC造住宅に根強い人気があります。
私のお客様で、お客様自身は木造住宅で検討されていましたが、ご家族から反対されて断念したケースも実際にありました。
このような「土地価格と建築費高騰」という状況の中、住宅ローンを提供する金融機関は「所得費(土地+建物+諸費用)と年収の割合」を確認しますが、お客様の属性も沖縄特有の特徴がありました。
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2. 低所得と非正規雇用が多い
厳しい住宅事情の一方で、沖縄の県民所得は全国平均を大きく下回っており、特に中小零細企業に勤務する人や、サービス業に従事する非正規雇用の割合が高いことが問題となっています。
厚生労働省の調査によると、沖縄県の平均給与は全国平均の約7割程度にとどまっており、持ち家を希望しながらも、低所得のために住宅ローンの審査に通らない、あるいは頭金を貯めることができないというケースが後を絶ちません。
特に、若年層や非正規雇用で働く人々にとって、マイホーム取得はますます遠い夢となりつつあります。
「家を買いたくても買えない人」が増えてくるとどのような問題がありますでしょうか?
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3.「持ち家の夢」と「厳しい現実」のジレンマが様々な社会問題を引き起こす可能性
・格差の拡大: 住宅を取得できる層とできない層の経済的・社会的・心理的格差が広がり
・少子化の加速: 住宅費の負担が重く、子育てにお金をかけられないという理由で、子どもを持つことを諦める夫婦が増える可能性
・地域コミュニティの衰退: 高額な住宅価格によって、若い世代が地域外へ流出し、地域コミュニティの担い手不足や高齢化が進む可能性
※一つ一つ掘り下げていくと長文になるので簡潔に記述しています。
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4. 解決への糸口
3で述べたジレンマを解消するためには、多方面からのアプローチが必要です。
・公的支援の拡充: 低所得者向けの住宅ローンの金利優遇や、頭金補助などの公的支援を拡充することが求められます。住宅ローン金利を公的に補給する利子補給制度というものがありますが、沖縄県内の自治体ではありません。南城市で住宅取得に関する助成金制度があります。
・民間企業の取り組み: 例えば、社員向けの住宅取得支援制度を充実させるなど、企業側の取り組みも重要です。このような福利厚生制度で社員の離職を防ぐことができると考えられます。
・中古住宅流通の活性化: 新築住宅だけでなく、中古住宅の流通を活性化させ、リノベーションなどを通じて住宅取得の選択肢を広げることも有効です。金融機関も築年数だけで担保評価するのではなく、リフォームの有無によって評価するなど柔軟性が出てきています。
・コンパクトな住宅の推進: RC造にこだわりすぎず、より安価で建築可能な、例えば「小さな家」や「狭小住宅」といった選択肢を増やすことも一つの方法です。これは、建築資材や工法の見直し、設計の工夫などによって実現できる可能性があります。
・所得向上への取り組み: 最も重要なのは、県民所得の向上です。企業の生産性向上や、高付加価値産業の育成、人材育成などを通じて、持続的な経済成長を実現することが不可欠です。
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まとめ:沖縄の住宅問題は、県民の生活に直結する喫緊の課題
沖縄の住宅問題は、単なる不動産市場の問題にとどまらず、県民の生活の質や将来設計に深く関わる重要な課題です。
持ち家志向の強い沖縄において、土地・建築費の高騰と所得の伸び悩みのジレンマは、多くの人々の「夢」を阻んでおり、この問題の解決には、行政、企業、そして県民一人ひとりが協力し、持続可能な解決策を模索していくことが求められています。
私自身も建築および不動産業界で働く人間としてどのようなことが出来るのか、日々考えながら業務に励んでいきたいと思います。
それではみなさん良いお年を!
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