近年の建設DXについて – 株式会社東恩納組

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2024年11月7日土木部

近年の建設DXについて

皆様こんにちは、土木部の玉城です。
前回は「近年の建設DXについて」についての記事といたします。

近年、建設業界でデジタルトランスフォーメーション(DX)が進展しており、効率や生産性の向上、コスト削減、安全性の向上など、さまざまな面で業界に変革をもたらしています。建設DXは、AIやIoT、ビッグデータ、クラウドなどのデジタル技術を活用し、従来のアナログな業務プロセスをデジタル化・最適化する動きです。この記事では、建設DXの背景や代表的な技術、今後の展望について紹介します。

1. 建設DXの背景と重要性

日本では、建設業における人手不足や高齢化が深刻な問題となっています。2020年代に入ってからも、若手の担い手不足や過酷な労働環境が原因で、建設現場の効率化と働き方の改善が急務とされてきました。さらに、新型コロナウイルス感染症の影響で、非接触型の作業やリモートでの現場管理のニーズが高まりました。こうした背景から、DXによって効率的な作業フローを実現し、人材不足や働き方改革を支える技術として建設DXが注目されています。

2. 建設DXを支える主要技術

建設DXにおいて活用されている主要な技術には、以下のようなものがあります。

2-1. BIM(Building Information Modeling)

BIMは、建物やインフラの3Dモデルを作成し、設計・施工・管理までの情報を一元化する技術です。BIMを活用することで、設計段階から施工完了後のメンテナンスまでのすべてのデータを統合し、関係者間のスムーズな情報共有が可能になります。これにより、設計ミスや工期の遅延を防ぎ、施工の効率化やコスト削減が期待されています。

2-2. ドローンと3Dスキャン技術

ドローンを使用した現場の空撮や3Dスキャンにより、広範囲の現場情報を短時間で取得できるようになりました。これにより、従来の手作業による測量の手間や誤差が大幅に削減され、精度の高いデータ収集が可能になりました。3Dスキャンで得られたデータはBIMにも連携され、リアルタイムでの進捗管理や安全管理に活用されます。

2-3. IoTとセンサー技術

現場機器や建材にセンサーを取り付け、リアルタイムで温度、湿度、振動などの情報を取得することが可能です。これにより、作業環境の適切な管理ができるだけでなく、異常値が検出された際には即座にアラートが発せられ、事故やトラブルを未然に防ぐことができます。また、IoT技術は人員の配置や資材の管理にも役立ち、効率的な現場運営を支援しています。

2-4. AIによるリスク予測と自動化

AI技術を活用し、過去のデータから事故や不具合の発生確率を予測することで、リスク管理を強化しています。AIは、複数の要因を分析して、例えば労働者の疲労度や気象条件に基づくリスクの高まりを予測し、リスク軽減の対策を促すことが可能です。また、AIによる施工プロセスの自動化も進められており、例えば溶接ロボットや自動運搬機など、作業の一部を機械が担うケースも増えています。

3. 建設DXの効果とメリット

建設DXは、以下のような効果やメリットをもたらしています。

・生産性の向上 :自動化やデジタル管理により、作業時間が短縮され、作業効率が大幅に向上します。
・コストの削減 :リスク予測やデータ活用によって、無駄な資材消費や人員配置が抑えられ、コストの削減が実現します。
・安全性の向上 :リアルタイムモニタリングやリスク予測により、労働者の安全が確保され、事故の発生リスクが低減されます。
・情報の一元管理:BIMやクラウド技術により、関係者間の情報共有が容易になり、意思決定が迅速化します。

4. 今後の展望と課題

今後も建設DXはさらに進化し、スマートシティの実現やサステナブルな建築を支える基盤として重要な役割を果たすと期待されています。しかし、DXの導入には高額なコストや専門知識が必要であり、中小企業が導入するにはハードルが高いのが現状です。加えて、データのセキュリティやプライバシー保護も課題とされています。

日本政府も「建設業DX推進計画」を打ち出し、技術導入の支援や制度の整備を進めています。これにより、建設DXはさらに普及し、業界全体の底上げが図られるでしょう。

まとめ

建設DXは、建設業界に新たな可能性をもたらし、効率的かつ安全でサステナブルな未来を築くための重要な変革手段です。BIM、ドローン、IoT、AIなどの先端技術を活用することで、建設現場はますます高度に管理され、環境に配慮した持続可能な社会の実現にも寄与しています。今後もこの動きは加速し、建設業界全体がデジタル化により、より強固な産業基盤を築くことが期待されており、積極的に取り入れ技術を向上させていきたいです。

記事は以上となります。

最後までご清覧頂きありがとうございました。

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