「ライオンズ宜野湾ベイサイドシティ新築工事」より10月度近況報告 – 株式会社東恩納組

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2020年11月2日建築部

「ライオンズ宜野湾ベイサイドシティ新築工事」より10月度近況報告

ブログをご覧の皆さん、約1ヵ月ぶりの再会となります。
建築部の上地です。

さて、我が「ライオンズ宜野湾ベイサイドシティ新築工事」は、8月初旬より上部躯体作業に移行しまして、 現在は5階躯体作業へ移行したところであります。
基準階躯体施工サイクルですが、当初は1フロアを16日サイクル(実働)で進めてまいりましたが、当初の読み通り4階躯体辺りから鉄筋工及び型枠工の慣れが幸いし、現在は1フロアの施工サイクルを15日まで短縮するまでに至っております。
更に高層階へと移行するに伴い、日に日に墜落転落災害への配慮も心掛けて行く予定です。
・・・・(本ブログが公開される頃は5階躯体作中だと思います)

それでは、今回のブログ内容ですが、前回から「躯体作業1サイクルの流れ」を4回に分けて勉強しています。
前回1回目は手順①(墨出し)~手順④(先行枠建込み)までを勉強しました。
今回の2回目は、手順⑤(垂直スリット取付)~手順⑦(柱壁返し枠建込み)までを一緒に勉強していきたいと思います!
お付き合いよろしくお願いいたします。

その前に、下記に10月中旬現在の空撮をUPします。(現場北側より観る)

 

前回の復習【耐震スリット】

耐震スリットとは、鉄筋コンクリート造の壁の柱端(柱際)、あるいは梁上、梁下などに設ける緩衝材です。
昔の建物では、スリットを設けていませんでしたが、過去に起きた地震被害により、耐震スリットが必要だと判断されたのです。

下図が耐震スリットです。
このように、鉄筋コンクリートの柱際に設けて、壁と柱又は梁とを切り離します。
「切り離したら危なそう」と思われるかもしれません。
しかし、そう単純な話ではありません。これは前述したように、「雑壁が柱や梁に悪影響を及ぼす」からです。

耐震スリット

耐震スリットの意味と目的

耐震スリットを設ける目的は、悪影響を及ぼす雑壁(袖壁、垂れ壁、腰壁)を、柱または梁から切り離すことです。

RC造の建物に耐震スリットを設けることは、1981年に新耐震設計法が施行されて以降です。
当時は、耐震スリットを設けないRC造の建物が設計されてきましたが、大地震時に設計者が予測していなかった破壊や、腰壁及び垂壁が取り付く柱でせん断破壊が多く起きたのです。

 

手順⑤【耐震垂直スリットの取付】

⦿耐震スリットはポリスチレンフォームを基材とするものが多く、非常に柔らかくて簡単に曲がる。だから施工現場では、特に慎重に扱わなければならない。
構造計算と構造図において指定された『耐震スリット』は、「指定どおりの位置に、定められた方法」で取付け施工を行なわなければならない。
そうでなければ、構造計算を行なった「建物骨組のモデル化」と相違することになり、構造の安全性を確保できない可能性が大きくなるからである。


2015/12/a002.gif⦿『耐震スリット』製品には、コンクリートを打設するときに掛かる圧力を処理するために、セパレーターなどにずれ止めを取り付けるなどの対処方法がある。
現場では、それら取付け方法を徹底しなければならず、これを怠ると、コンクリート打設によってズレや歪みが生ずる可能性がある。

 

手順⑥【壁筋の配筋】

壁の配筋(施工)順序は、

① かぶり厚さの確認

② 縦筋、横筋の内外関係の確認

③ ピッチの割付け及び配筋

⦿上、下階の縦筋の位置が異なるときは、あき重ね継手を使います。

④ 開口補強の配筋

⦿壁開口部の補強の方法は、キレツ防土を目的にしたものと耐力を期待するものの2種類があります。
どちらを採用するかは図面での指示によります。 また、開口部補強筋の定着長さは、右図のようになります。
⑤ 幅止め筋の配筋

⑥ ドーナツスぺーサーの配置

 

手順⑦【壁返し枠建込み】

⦿壁内部の設備工事が済、型枠を返します。
壁の中が見えなくなりますから、返す前の清掃状態をキチンとする。
コンクリートの打ち継ぎ部分の止水材の施工は適切か。
隠れる部分はやはり大切になりますね。

⦿電気屋さんと設備屋さんが相番でスリーブを設置します。

⦿縦横の鋼管締固めで返し枠作業の完了となります。

 

型枠は建物の「芯」となる部分で精度と強度が必要とされ、組立には水平・垂直を常に確認していきます。
この作業で建物の善し悪しが決まると言ってよいほど、非常に重要な作業となります。

 

以上、今回はここまでの説明とし、次回3回目は手順⑧「梁、スラブ枠建込み」から勉強していきたいと考えてます。どうぞよろしくお願いいたします。

それでは、来月にまたお会いしましょう。

By 建築部 上地 透

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