コンクリートの養生 – 株式会社東恩納組

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2024年3月15日建築部

コンクリートの養生

皆さんこんにちは。建築部の大城です。

配属されている「(仮称)那覇市おもろまち三丁目計画新築工事」では、3月11日(月)に1階床コンクリートの打設を行い、現在、1階の柱、壁の配筋、型枠の建て込みを行っています。

今回はコンクリートの養生について綴っていきたいと思います。

コンクリートの打設直後は、水とセメントによる水和反応(化学反応)により、コンクリートの硬化が始まります。しかし、コンクリートの表層は大気に接しているため、表層の水分が蒸発、乾燥し、十分な水分と水和反応が不足、コンクリートのひび割れに繋がってしまいます。それを防ぐためにコンクリートの打設直後は湿潤養生を行う必要があります。また、湿潤養生期間も建築工事標準仕様書(JASS5)にて決められており、以下の通りとなっています。

早強ポルトランドセメント 普通セメント 混合セメントB種
日平均気温:15℃以上 3日 5日 7日
日平均気温:10℃以上 4日 7日 9日
日平均気温:5℃以上 5日 9日 12日

湿潤養生にはいくつか種類があります。

■膜養生

・養生マットまたは水密シート等で覆い、水分を維持する方法

■散水養生

・連続又は断続的に散水または噴霧を行い、水分を供給する方法

■被膜養生/含浸養生

・膜養生剤や浸透性の養生剤の塗布により、水分の逸散を防ぐ方法

当現場では、養生剤を散布し、含浸養生を行いました。

コンクリートの打設後、歩行できるタイミングで養生剤(含浸性コンクリート養生剤)を散布するのですが、コンクリート表面に塗布すると、表層の水酸化カルシウム等と反応し、コンクリート表層部を緻密化、水和反応に必要な内部の水分の蒸発を防ぐことができます。また、含浸養生剤を散布することで、散水などの湿潤養生期間を省くことができ、管理手間の低減、、作業工程の短縮をすることが出来ます。

その他にも、柱の部分については、次回のコンクリートと打継部を一体化させるため、レイタンスの処理を行う必要があります。コンクリート打設後及び硬化後、セメントや骨材等の微粒子がコンクリート表面に集まり、打ち継ぎの一体化を阻害する層「レイタンス」が形成されます。その為、コンクリートの打継面はレイタンスの除去「レイタンス処理」を行います。通常は打継部にコンクリート硬化遅延剤を打設直後に散布、後日高圧洗浄機などでコンクリート表層及びレイタンス層を削りとります。

今回、当現場ではレイタンス処理を行わないコンクリート打継処理工法を行いました。

使用したコンクリート打継処理剤は、コンクリート表面に散布すると内部へ浸透し、コンクリート表層にカチオン性のポリマー被膜を形成し、次回のコンクリートと強固に接着します。また、処理剤を散布するだけなので、打設後のレイタンス処理を省略することが出来ます。レイタンス処理を省くことで手間の削減や汚れの飛散等の防止を行うことができます。

今回は以上となります。ご拝読、ありがとうございました。

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