スプリンクラー設置基準(2) – 株式会社東恩納組

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2023年9月20日建築部

スプリンクラー設置基準(2)

皆さんこんにちは。

建築部の小橋川です。

残暑厳しく、まだ暑い日が続いていますが、

みなさんはどうお過ごしでしょうか・・・

今回のブログは前回書いたスプリンクラーの設置基準の続きを書いていこうと思います。

初めて見る方は前回の投稿を見てから読み進めることをおすすめします!

スプリンクラーの設置基準について説明していきたいと思います。

前回は建物の階層ごとの基準について書きましたが今回は建物の用途と延べ面積について書いていきます。

【会場施設】映画館・劇場など

【集会施設】集会場・公会堂など

 

映画館イラスト に対する画像結果

このような施設では次のような設置基準を定められています。

・床面積6,000平米以上の一般階

(1階から3階まで)

・床面積1,000平米以上の地階・無窓階

・床面積1,500平米以上の中層階

(4階から10階まで)

・11階以上の高層階が存在する場合は建物の全フロア

 

【歓楽施設】キャバレー・ナイトクラブなど

【娯楽施設】ダンスホール・カラオケなど

からおけイラスト に対する画像結果

以上の施設では、次のような設置基準が定められています。

・床面積6,000平米以上の一般階

(1階から3階まで)

・床面積1,000平米以上の地階・無窓階

・床面積1,000平米以上の中層階

(4階から10階まで)

・11階以上の高層階が存在する場合は建物の全フロア

 

【店舗】飲食店など

【商業施設】デパート・スーパーなど

デパートイラスト に対する画像結果以上の施設では、次のような設置基準が定められています。

・床面積3,000平米以上の一般階

(1階から3階まで)

・床面積1,000平米以上の地階・無窓階

・床面積1,000平米以上の中層階

(4階から10階まで)

・11階以上の高層階が存在する場合は建物の全フロア

 

【宿泊施設】ホテル・旅館など

以上の施設では、次のような設置基準が定められています。

ホテルイラスト に対する画像結果

 

 

 

 

 

・床面積6,000平米以上の一般階

(1階から3階まで)

・床面積1,000平米以上の地階・無窓階

・床面積1,000平米以上の中層階

(4階から10階まで)

・11階以上の高層階が存在する場合は建物の全フロア

前回も書きましたが11階以上の建物は用途と延べ面積関係なく設置義務があるため気をつけましょう!また、設置基準となるのは床面積のため延べ面積と間違えないよう気をつけましょう!

次はスプリンクラーを設置するときの間隔や個数などを説明します。

まずスプリンクラーには次の3つの種類があります。

  • 閉鎖型
  • 開放型
  • 放水型

それぞれ火災による熱を感知する感熱体の有無や放水圧力の規定が異なります。

スプリンクラーの種類

スプリンクラーの種類 特徴
閉鎖型 感熱体がある天井高さが10m以下(物販用途などは6m以下)
開放型 感熱体がない放水圧力が0.1MPa以上であり、かつ放水量が80l/秒以上
放水型 放水銃や側壁散水ヘッド(自動もしくは手動で広範囲に散水できるヘッド)放水量5l/秒.㎡(指定可燃物を貯蔵もしくは取り扱う部分については10l/秒.㎡)以上

今回は3種類の中でも閉鎖式スプリンクラーで説明していきたいと思います。スプリンクラーヘッドは、散水の状態によって3種類に分類されます。

  • 標準型ヘッド
  • 小区画型ヘッド
  • 側壁型ヘッド

標準型のスプリンクラーヘッドは、円を描くように散水します。

小区画型ヘッドでは、壁面を濡らしながら居室全体に放水します。

側壁型ヘッドは、半円を描くように散水するのが特徴です。

さらに、スプリンクラーヘッドを取り付ける方向を、上向きもしくは下向きにするかの選択も可能です。

次に閉鎖式スプリンクラーヘッドの設置場所に関する消防法の規定です。

【消防法に定められた閉鎖式スプリクラーヘッドの設置基準】

スプリンクラーヘッドのデフレクターと天井の距離は30㎝以下とする
30cmを超える場合は、別途認定を受けた機器の設置や、開放型のスプリンクラーヘッドの設置が必要
(消防法施行規則第13条の2の4の1のハ)
幅もしくは奥行きが1.2mを超えるダクト、棚といった散水障害になるものがある場合、これらの下部にもスプリンクラーヘッドを設ける
(消防法施行規則第13条の2の4の1のロ)
40㎝以上突出した梁のような部分によって区切られた構造をした天井の場合は、区切られた部分ごとにスプリンクラーヘッドを設置する
ただし区切られた間隔の直線での遠隔距離が、中心で1.8m以下の場合は、この限りではない
(消防法施行規則第13条の2の4の1のイ)

なおデフレクターとは、放水した水を広範囲に拡散させるための機器です。

次に閉鎖型スプリンクラーヘッドの感熱体に使われる素材は2種類あります。

  • 熱で溶ける特殊素材
  • ガラスのなかにアルコール系の液体を入れ、熱で液体が膨張するとガラスが破損する仕組みがあります。

次にスプリンクラーヘッドの作動温度と設置場所は主に3種類あります。

作動温度 設置場所
96℃ キッチンのような高温を発生する場所
72℃ 一般的な建物
139℃ サウナのような高温を発生する場所

閉鎖型スプリンクラーヘッドは、設置するヘッドの個数と配管サイズが規定されています。

標準型スプリンクラーヘッドの場合

ヘッドの個数 2以下 3以下 5以下 10以下 20以下 21以上
配管口径(㎜) 25以上 32以上 40以上 50以上 65以上 80以上

小区画型スプリンクラーヘッドの場合

ヘッドの個数 3以下 4以下 8以下 9以下
配管口径(㎜) 25以上 32以上 40以上 50以上

なおスプリンクラーヘッドは等間隔で均等に設置することが大切です。

最後にスプリンクラー設置間隔です。

閉鎖式スプリンクラーの中の3種類な中でも標準型ヘッドの間隔を主にを説明します

  • 標準型ヘッド
  • 小区画型ヘッド
  • 側壁型ヘッド

耐火建築は2.3メートル以下、耐火建築物以外は2.1メートルの水平距離です。

壁、天井からの間隔は30センチ!

あまりにも低いと誤作動をおこすことと、壁に近いと初期消火の

カバーする範囲として厳しいため。

下方向への離隔(保有空間)は0.45m

  • 易燃性の可燃物がなし0.45m
  • 易燃性の可燃物があり0.9m

となります。

 今回はこれで終わりたいと思いますが今回説明したスプリンクラーの間隔や水量は主に閉鎖式の基準型ヘッド説明ですのですべて覚えるとなるととても大変ですね!最初にこの記事を書いたときはまさかスプリンクラーがこんなにも細かく区別されているとは思いませんでしたが勉強になったためとてもよかったです。

ちなみに私が所属している中小企業振興会館は7階建ての床面積1000㎡未満だったためスプリンクラーの設置はありませんでした。ここまで読んでいただきありがとうございました!

以上小橋川でした。