土量計算について(part2)
みなさん、こんにちは!土木部の當銘です。
今年は梅雨あるの?と思うぐらい、梅雨入り宣言が遅かったですね。
いざ入ってみたら、いつもの梅雨と違って、ひんやりしていたり、そこまでの湿度を感じなかったり。
自然現象はよくわからないですね。
いつかのダム貯水率の危機がまた来ないよう、集中豪雨による大災害が起きないよう、バランスよく降ってもらいたいものですが。
さて、今回のブログは前回に引き続き、土量計算について(part2)です。
前回の復習はこちら↓
土量計算のポイントは「求める土量が何なのか、基準の土量は何なのか」を理解することでしたね。
土量変化率
ほぐし率(L)=ほぐした土量/地山の土量
締固め率(C)=締め固めた土量/地山の土量
この2つの式での計算が一般的だと思いますが、
「土量換算係数表」を使った計算式「求める土量=基準の土量×係数」
の方が私はわかりやすいと思ったので、この計算方法で書いています。
みなさんそれぞれ計算しやすい方法があると思いますので、参考程度に見て頂けたらと思います。
図にある通り、切土、盛土、残土をそれぞれ土量換算で言い換えると、
切土は【地山の土量】
盛土は【締め固めた土量】
残土(切土でほぐされた土)は【ほぐした土量】
となります。
Q1.切土200m3を流用して盛土100m3を行う時、残土は何m3か?(L=1.2、C=0.8)
パッと見た感じだと、200-100=100m3が残土と思う方もいるかもしれません。
残念ながら、それは不正解で、残土を計算するときは、切土・盛土を一度【ほぐした土量】に換算する必要があります。(または、【地山の土量】に換算して計算する方法もあります)
どういうことかというと、単位を揃えて計算する感覚と同じです。
例えば、1kmマラソンで800m時点まで来たとき、残りは何m?というとき、1kmを1000mにして計算しますよね。
それと同じことが、土量計算でも言えるということです。
- 求める土量=基準の土量×係数
- L=1.2、C=0.8
まず、切土200m3の【ほぐした土量】を求めます。
ほぐした土量=200m3×L=200m3×1.2=240m3・・・①
次に、盛土100m3の【ほぐした土量】を求めます。
ほぐした土量=100m3×L/C=100m3×1.2/0.8=150m3・・・②
そして、①-②=240m3-150m3=90m3
よって、残土は90m3ということになります。
今度は【地山の土量】に換算して計算する方法をやってみましょう。
そして、土量変化率の2つの式を使ってみましょう。
ほぐし率(L)=ほぐした土量/地山の土量
締固め率(C)=締め固めた土量/地山の土量
まず、切土200m3はそのまま【地山の土量】200m3・・・①
次に、盛土100m3の【地山の土量】を求めます。
締固め率(C)の式に当てはめると、
0.8=100m3/地山の土量
地山の土量=100m3/0.8=125m3・・・②
そして、①-②=200m3-125m3=75m3
【地山の土量】が75m3ということで、ほぐし率(L)の式に当てはめます。
1.2=ほぐした土量/75m3
ほぐした土量=75m3×1.2=90m3
よって、残土は90m3となり、上記と同じ答えとなりました。
【地山の土量】に換算して求める方法は、「土量換算係数表」を使った計算式「求める土量=基準の土量×係数」でも計算でき、答えは同じ90m3になります。
気になる方は試してみて下さい。
遠回りな計算か、最短の計算か、求め方は違いますが、答えは同じなので、お好きな方法で計算するといいと思います。
今回は、ここまでとします。
またの更新まで。