杭基礎について – 株式会社東恩納組

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2022年11月28日建築部

杭基礎について

皆さんこんにちは!建築部の新垣です。
今回は、基礎工事の杭基礎について書きたいと思います。

まず基礎工事とは、建物と地面のつなぎ目となる土台を作る工事で、建物の丈夫さを左右するとても重要なものとなっています。

基礎工事には軟弱な地盤で採用する「杭基礎」地盤に直接基礎を作る「直接基礎」の2つに分かれており、さらに「直接基礎」は、「ベタ基礎」「布基礎」「独立基礎」に分類されています。

それでは、本題に入りたいと思います。

杭基礎は、地盤が軟弱な場合に採用し、深さ数メートルの固い地盤に杭を打ち込むことで建物の安定性を保ち、地震での液状化を防止する工法となっています。

特に日本は地震大国なので、よくこの工法が使われているそうです。

杭基礎にも地盤に掘った穴に鉄筋を挿入して杭を作る「場所打ち杭工法」と、既製品のコンクリート杭や鋼杭を地盤に埋め込む「既製杭工法」の2種類があり、またこの2種類から下図のようにいくつかの工法に分類されています。

 

私が所属している中小企業振興会館の現場では、埋込み杭工法の※プレボーリング杭工法という工法を使って杭工事を行いました。

※プレボーリング杭工法とは、あらかじめ、地盤をオーガー等で所定の深さまで掘削し、泥土化した孔内の地盤に根固め液と杭周固定液を用いてソイルセメント状にした後、既製コンクリート杭を沈設する工法となっています。

杭の埋設を行った後は油圧ショベルで根切りを行い、杭の間を平坦にします。

この平坦にする作業を行わないと、杭の上に設置する基礎がうまくつなげなくなるそうなので、油圧ショベル等でしっかり土をならしていきます。レベルの最終チェック等は元請側で行い、より品質がいいものに仕上げていきます。

土工事が済んだ後、杭を基礎として使用していくため、多数の杭の上に大きな基礎を設置していきます。

最初にそのベースとなる鉄筋を杭の上から延ばし平面になるように組み、この鉄筋をベースに鉄筋コンクリート製の基礎が作られていきます。

鉄筋の配筋が終わると、鉄筋にコンクリートを流し込むための型枠工事が行われます。

型枠工事では一般的に、加工が簡単で解体も簡単な木製の型枠が使われるそうですが、木製型枠以外にも鋼製型枠というのがあり、強度があり、耐久性に優れているというメリットがある反面、一枚あたりのコストは高く、汎用性が低いというデメリットもあります。

最後に、型枠の設置も終わった後コンクリートの打設工事があります。

アジテータ車で運ばれてくる生コンを、型枠内に流し込みバイブレーターと呼ばれる振動機を使って、コンクリートをムラなく隅々まで行き届かせ、コンクリートが分離して豆板にならないようにします。

次にコンクリートの養生を行いますが、コンクリートは、主要材料であるセメントの水和反応により強度が発現し、骨材との繋ぎを形成します。水和反応はセメントと水の反応ですが、水分が不足すると十分な反応が行われず、強度が期待するほど発現しないことがあります。そのため、コンクリートの品質を確保するには、コンクリート打ち込み後に十分な水を与え、コンクリートの硬化と強度発現を促す「養生」が極めて重要となります。

生コンを型枠内に流し込み、コンクリートが固まることで杭の上に強固な建物の基礎となる盤面が形成されます。

現在私が所属している中小企業振興会館では今回紹介した杭工法を使って基礎工事を行っている最中ですが、これから鉄筋の配筋や生コンの打設等初めての事ばかりが始まりますので、色々な事を学び吸収していきたいと思います。

以上、建築部新垣でした。