鉄筋の種類について – 株式会社東恩納組

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2023年1月16日建築部

鉄筋の種類について

皆さんこんにちは!建築部の新垣です。

今回のブログは鉄筋の種類について書いていきたいと思います。

鉄筋は主に、丸鋼異形鉄筋(異形棒鋼)の2つの種類に分類されます。

JIS(日本産業規格)に認定されている材料は、丸鋼が2種類、異形鉄筋が5種類あります。

それぞれ強度や特徴などが異なるため、用途によって使い分けられます。

まず始めに丸鋼についてお伝えしていきたいと思います。

丸鋼(Round bar)とはその名の通り丸い鋼棒で、下のイラストのように突起が無く、ツルツルとした鉄筋となっています。

丸鋼は建物以外にも使われており、大型の丸鋼は機械や船舶などの二次製品の素材などに使われ、中型の丸鋼は大型サイズの用途に加え道路の基盤材や自転車の部材などにも使われているそうです。

 

さて、それでは次に丸鋼の材質についてお伝えしたいと思います。

丸鋼の材質の呼び名はSR○○と呼び、SRはSteel Roundの略で丸鋼の意味となっており、○○には数字が入り、その数字というのはその部材の降伏点(強さ)を表すという意味になっています。

丸鋼にはSR235とSR295の2種類があります。

SR235は降伏点が235N/m㎡、引張強度が380~520N/m㎡

曲げ角度が180°となっており、

SR295は降伏点が295N/m㎡、引張強度が440~600N/m㎡

曲げ角度が180°と定められています。

この事からSR295の方がSR235より強度が優れている事が分かりますね。

そもそも降伏点とは、これ以上の外力がかかると元の形に戻らず変形が残る

数値の事を言い、これを塑性(そせい)といったりするそうです。

昭和40年代頃までは丸鋼が鉄筋コンクリートの鉄筋として使われていたそうですが、コンクリートとの付着が乏しい為、現在は鉄筋として使われる事はなく、主に今から説明する【異形鉄筋】が主流となっています。

それでは次にその【異形鉄筋】についてお伝えしたいと思います。

異形鉄筋は、丸鋼のツルツルとした鉄筋ではなく、リブや節と呼ばれる凹凸の突起を設けている棒状の鉄筋となっています。

 

異形鉄筋の材料記号はSD○○と呼び、SはSteel(鋼)・DはDe-formed(異形棒鋼)の意味を表しています。

異形鉄筋は種類がSD295A,SD345,SD390,SD490の4種があり、実はこの4つ以外に、もう一つSD295Bという種類があったのですが、2020年にJIS規格が改正し廃止されていました。

しかし、SD295Aとの違いとしてどちらも同強度のJIS規格として規定されているのになぜSD295Bは廃止されたのでしょうか。

そこで気になり調べてみたところ、まずこの2種類の決定的な違いとして、SD295Aは下位降伏点の下限値が定められているのに対し、SD295Bはその範囲が規定されているという違いがありましたが、実はSD295Bの方が性能が高い鉄筋とされていました。

SD295Bは、最大引張強さとの差が不明確なSD295Aとは違い、下位降伏点の範囲が規格され、最大引張強さまでの差が明確という事から、靭性を考慮した構造設計が可能な鉄筋とされていました。

ではなぜSD295Aより性能がいいとされているSD295Bが用いられなくなったのでしょうか。

そもそも295種の鉄筋というのは、柱の帯筋や梁のあばら筋また、壁の配筋(耐力壁除く)スラブの配筋などのさまざまな場面で採用されています。

これらに使用される鉄筋として、SD295Bのように下位降伏点~引張り強さまでの強度差が分かる鉄筋ではなく、単に下位降伏点が規定されていて、必要十分でより安価なSD295Aが採用されるようになったそうです。

このような事からSD295Bを使うのであれば、強度として上位規定となるSD345を使うというのが一般的になり、SD295Bはほとんど採用されなくなり、JIS規格から廃止されたそうです。

今回、自分が調べた範囲で皆さんにお伝えしましたが、まだ他にも圧延マーク等の鉄筋の種類についてお伝えできなかった部分もありますので、また次の機会にお伝えしたいと思います。

後、間違えて説明してるところも少なからずあると思いますので、ご指摘があったらお願いします!

以上、建築部の新垣でした。