石綿規制の時期と内容
皆さんこんにちは。建築部の喜瀬です。
「アスベスト」聞いたことがある人も中には居ると思います。今回はアスベストについてお伝えします。
アスベストが使用され初めたのは1957年頃です。使用目的は安価でありながら耐火性・断熱性・防音性など様々な役割を持っているので、住宅から公共施設・工場など沢山の建築物に使われて来ました。接着剤・摩擦材・潤滑剤など材料。アスベストが使用された製品は3000種類にもなる。
アスベスト(石綿)は、天然に産する繊維状ケイ酸塩鉱物で(せきめん)(いしわた)とも呼ばれています。その繊維が極めて細いので、研磨機、切断機などの施設での使用や飛散しやすい吹付け石綿などの除去等において所要の措置を行わないと石綿が飛散して人が 吸入してしまうおそれがあります。以前はビル等の建築工事において、保温断熱の目的で石綿を吹き付ける作業が行われていましたが、昭和50年に原則禁止さ れました。その後も、スレート材、ブレーキライニングやブレーキパッド、防音材、断熱材、保温材などで使用されましたが、現在では、原則として製造等が禁止されています。
アスベストが禁止になった時期・内容
・1975年にアスベスト規制導入、含有量5%を超える吹付け作業禁止
・1995年にはアスベスト1%含む吹付作業の禁止。アモサイトおよびクロシドライトの製造、輸入、使用の禁止
・2005年には吹付作業の完全禁止。
・2012年にはアスベストを含む輸入品の完全禁止となり日本はアスベスト製品を使用されなくなりました。
なぜ万能であったアスベストが禁止になったのか理由をしれば納得です。アスベストは非常に細かい自然鉱物の繊維です。直径0.2μm~0.35μmと人の目では見えません。石綿は、そこにあること自体が直ちに問題なのではなく、飛び散ること、吸い込むことが問題となるため、労働安全衛生法や大気汚染防止法、廃棄物の処理及び清掃に関する法律などで予防や飛散防止等が図られています。
アスベストが原因の病気
・石綿(アスベスト)肺
肺が線維化してしまう肺線維症(じん肺)という病気の一つです。肺の線維化を起こすものとしては石綿のほか、粉じん、薬品等多くの原因があげられます が、石綿のばく露によっておきた肺線維症を特に石綿肺とよんで区別しています。職業上アスベスト粉塵を10年以上吸入した労働者に起こるといわれており、 潜伏期間は15~20年といわれております。アスベスト曝露をやめたあとでも進行することもあります。
・肺がん
石綿が肺がんを起こすメカニズムはまだ十分に解明されていませんが、 肺細胞に取り込まれた石綿繊維の主に物理的刺激により肺がんが発生するとされています。 また、喫煙と深い関係にあることも知られています。アスベストばく露から肺がん発症までに15~40年の潜伏期間があり、 ばく露量が多いほど肺がんの発生が多いことが知られています。 治療法には外科治療、抗がん剤治療、放射線治療などがあります。
・悪性中皮腫
肺を取り囲む胸膜、肝臓や胃などの臓器を囲む腹膜、心臓及び大血管の起始部を覆う心膜等にできる悪性の腫瘍です。若い時期にアスベストを吸い込んだ方の ほうが悪性中皮腫になりやすいことが知られています。潜伏期間は20~50年といわれています。治療法には外科治療、抗がん剤治療、放射線治療などがあり ます。
今回はここまで。アスベストは古い建物に使用されている可能性が高いのでリフォームや解体作業をする際は専門業者に調査をお願いしてアスベストの有無を確認してください。