ALCについて – 株式会社東恩納組

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2025年7月4日建築部

ALCについて

皆さんこんにちは、建築部の富田です。

今回は、「ALC」について掲載します。

 

【ALCとは】

まず、ALCとは「高温高圧蒸気養生された軽量気泡コンクリート」の事で、

主に外壁材として使用される建材です。

ALCという名前の由来ですが、「Autoclaved Lightweight aerated Concrete」の頭文字を取って、ALCと呼ばれています。

 

ALCは、主な原料をセメント、珪石、生石灰、発泡剤のアルミ粉末としたコンクリートで、

内部に多数の気泡が生成されるので、コンクリートの長所である耐久性や耐火性はそのままに、

重量はコンクリートの約4分の1程度と軽量であるという点が特徴となります。

 

ALCの製造は、

①原材料を混ぜ合わせ、発泡・凝固させる

②混ぜ合わせた原材料が固まったら、パネル状に加工する

③オートクレーブと呼ばれる高温高圧蒸気釜で、180℃の高温と10気圧の高圧の中で10時間養生する

 

といった流れで行われます。

上記③の養生を行うことによって、「トバモライト結晶」と呼ばれる強度に優れた結晶構造体が生成され、強度と耐久性を備えたものになるそうです。

 

 

【ALCを使用するメリット、デメリット】

 

ALCのメリットとしては、以下が挙げられます。

・軽量

通常のコンクリートに比べて非常に軽いので、建物の構造への負担が少ないです。

また、運搬や取り付け作業などが容易で施工がしやすくなるので、工期が短く済みコストも削減できます。

 

・耐久性・耐震性

無機物の材料で出来ているため、腐食や劣化がしにくく、長期間にわたって性能を維持できます。また、軽量で強度が高いので地震時の揺れによる被害を受けにくい所もメリットです。

 

・断熱性

内部に気泡を多く含んでいるため断熱性能が高く、夏は涼しく冬は暖かい環境を作りやすいです。

 

・耐火性

無機物の材料で出来ているので、火災が発生しても燃えにくく、火災の被害拡大を抑える効果があります。さらに万が一燃えたとしても有害物質が発生しないので二次災害を防ぐ効果もあります。

 

・遮音性

内部の気泡が音を吸収してくれるので、遮音性が高いです。

 

ALCのデメリットとしては、以下が挙げられます。

・吸水性

ALCは内部に多くの気泡があるため、水が浸透しやすく吸水性が高いです。

そしてALCは内部に水が浸透してしまうと、ひび割れなどを起こしやすくなるので、これらの影響を避けるため防水性の高い仕上げをしなければなりません。

 

・コスト

特殊な材料・製造方法のため、他の外壁材に比べて高い費用がかかります。

 

 

【ALC取付け工法】

最後にALCの取付け工法ですが、外壁は主に次の2つになります。

・縦壁ロッキング構法

縦壁ロッキング構法は、ALCパネルを縦方向に設置し、パネルの上下を躯体に固定する工法です。この工法は、地震や強風などによる建物の変形に対して、ALCパネルが1枚ごとに微小回転することで面内方向に追従する所が特徴です。

下地鋼材に溶接などで固定した取付け金物とパネル内部のアンカーをボルト止めして躯体に取付けます。パネル重量はパネル下中央の自重受け金物などが支持します。

 

・横壁アンカー構法

横壁アンカー構法は、横方向に張る際に用いられる工法で、地震や強風などによって生じる躯体の層間変形に対して、上下段のALCパネルが相互に水平方向にずれることで追従する所が特徴です。

下地鋼材に溶接などで固定した取付け金物とパネル内部のアンカーをボルト止めして躯体に取付けます。パネル重量は3~5段ごとに取り付ける自重受け金物が支持します。

 

今回はここまで。

以上、建築部 富田でした。

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