CBR試験について
皆様こんにちは、土木部の玉城です。
前回は「土質試験の種類について」の記事としていましたので今回は土質試験の一つである「CBR試験」についての記事といたします。
CBR試験(California Bearing Ratio試験)は、土の強度を測定するための試験で、主に道路や空港の路盤材料の支持力を評価するために使用されます。CBR値は、道路設計や路盤材料の選定において非常に重要な指標であり、道路工事において基準となる値です。
CBR試験の概要
CBR(California Bearing Ratio)とは土や砕石などの路盤材料の支持力を示す指標で、特定の条件下での貫入抵抗を基準とする比率です。単位は「%」で表され、通常は5%から100%の範囲で評価されます。
試験の目的
CBR試験の目的は、土や砕石の荷重支持能力を評価し、それに基づいて道路や滑走路の設計を行うことです。CBR値が高いほど、材料が強固であり、重い交通荷重に耐えられることを示します。
CBR試験の手順
1.試料の準備
現場から採取した土や砕石を使用します。試料は一定の湿潤状態に調整され、所定の密度に突き固められます。
写真は試料採取状況となります。
2.試験装置の準備
CBR試験機を使用し、突き固められた試料の上に鋼製の円形の圧子(直径50 mm)を設置します。
3.荷重の適用
圧子を一定の速度(1.27 mm/min)で垂直に貫入させ、貫入深さ(通常は2.5 mmと5.0 mm)ごとの荷重を測定します。
4.CBR値の計算
取得した荷重値を標準試験(砕石などの標準材料)と比較して、CBR値を算出します。以下の式で計算されます。
標準貫入荷重は、2.5 mm貫入で1,370 kg、5.0 mm貫入で2,055 kgが基準とされます。
5.結果の評価
試験結果をもとに、土や砕石の支持力が道路の設計に適しているかどうかを評価します。一般的には、CBR値が高いほど優れた材料であるとされます。
CBR値の基準と用途
CBR値の目安
0-3%: 非常に弱い土質(柔らかい粘土など)
3-7%: 弱い土質(砂やシルトなど)
7-20%: 中程度の強度を持つ土質(安定した砂や砕石混合物など)
20%以上: 強い土質(良好な砕石、砕砂など)
用途
道路設計(特に路盤や路床の設計)
空港の滑走路設計
駐車場やその他の舗装設計
まとめ
CBR試験は、道路工事や土木建設において、土壌や材料の支持力を評価するための重要な試験です。試験結果に基づいて、適切な材料の選定や舗装設計が行われるため、道路の耐久性や安全性に大きく寄与します。
記事は以上となります。
最後までご清覧頂きありがとうございました。