おもろまち三丁目計画より – 株式会社東恩納組

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2024年5月1日建築部

おもろまち三丁目計画より

皆さんこんにちは。建築部の大城です。

当現場では2階の躯体工事の真っ最中で、先日2階の柱筋、壁筋の配筋を行い、現在3階床の枠設置を行っています。

圧接状況

柱の配筋状況

壁枠取付状況

床枠取付状況

同建物は鉄筋コンクリート造なのですが、実は、鉄筋とコンクリートは相性が非常にいいです。

コンクリートそのものは圧縮力には強いのですが、引張力には弱い性質を持ちます。

しかし、鉄はコンクリートとは逆の性質で、圧縮力には弱いが、引張力に強い性質を持つため、互いの長所を取り入れ、圧縮力にも強く、引張力にも強い構造体が鉄筋コンクリート造となっています。

その他にも相性がいい理由があります。

●熱膨張係数がほぼ同等。

コンクリートは太陽熱などを受け、熱膨張収縮を繰り返します。その体積変化の係数が「10×10-6/℃」となっていますが、鉄筋コンクリート造で使用される異形棒鋼は「10×10-6/℃」とほぼ同等な値、性質を持ちます。コンクリートの熱膨張と鉄の熱膨張が同一の為、同じように膨張収縮ができます。

●鉄筋の酸化をコンクリートが防げる。

鉄筋は空気中の酸素や水分と反応し錆びてしまいますが、コンクリートで包むことにより酸化をシャットアウトすることができます。また、コンクリートはアルカリ性の為、鉄筋表面の酸化を押える効果もあります。

●鉄筋は火に弱いが、コンクリートで防げる。

鉄筋は常温では強度がありますが、火などの熱を与え続けると、一定の温度以上では強度が低下してしまいます。構造体に使用した場合は火事などで建物が崩壊してしまう恐れがあります。しかし、コンクリートそのものは耐火、火に強い為、鉄筋をコンクリートで包むことにより鉄筋を火から守ることが出来ます。

●コンクリートは靭性が無いが、鉄は靭性に富む。

細長いコンクリート製の棒で、柱等の角を叩くイメージをしてみて下さい。ポキッと折れるイメージが湧くと思います。コンクリートは非常に強度がありますが、靭性と呼ばれる柔らかさ、粘り強さがありません。しかし、鉄は高靭性で粘りがあります。先ほどと同様に細長い鉄製の棒で、柱等の角を叩くイメージをしてみて下さい。コンクリート製の棒と違い、曲がるイメージが湧くと思います。

コンクリートだけを使用した建物では、強度はもちろんありますが、地震などの揺れが生じた場合、コンクリートだけでは耐え切れず、揺れを吸収できずに崩壊してしまいます。しかし、高靭性の鉄筋を中に取り込むことで、構造体が曲げに強くなり、コンクリートの短所を鉄筋で補うことができます。

 

以上のことから、鉄筋コンクリート造は理にかなった構造体であることが分かると思います。

鉄骨造や木造もそれぞれ特徴、メリットがありますので、またの機会に綴っていきたいと思います。

お読み頂きありがとうございます。

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