中小企業振興会館建設事業施設建築物新築工事より
皆さんこんにちは、建築部の富田です。
今回は、コンクリート混和剤について掲載します。
まず、コンクリート混和剤というのは、
コンクリートを作る材に混ぜる薬剤の事で、主にコンクリートの性能を改善するために用いられます。
混和剤には、空気連行機能、減水機能、スランプ保持・スランプ増大機能などの様々な機能がありコンクリートの用途に応じて必要な材料を選定し使用します。
【主な種類】
○AE剤
AE剤はコンクリート中に多くの独立した微細な空気泡(エントレインドエア)を一様に連行し、ワーカビリティや耐凍害性を向上させるために用いる混和剤です。
AEは、「Air Entraining」の頭文字で、空気連行を意味します。
連行された空気泡は、コンクリート中でボールベアリングのような作用をするので、セメント粒子の流動性が増し、ワーカビリティが改善され、所要のコンステンシーを得るための単位水量を減らすことができます。
また、コンクリート中に連行空気泡が適当量存在すると、水の凍結による膨張圧を緩和する働きをするため、凍結融解の繰り返し作用に対する抵抗性(耐凍害性)が著しく増大します。
○減水剤・高性能減水剤
減水剤とは、単位量当たりの水量を増やさずに、一定のスランプ値を保つ効果を持つ混和剤の事です。
減水剤は、セメントと水を混ぜた際に粉末状セメントの表面に吸着し、静電気的な反発作用を起こすことでセメント粒子を分散させ、セメントペーストの流動性を高める働きをします。
減水剤は、界面活性作用のうちセメント粒子に対する分散作用が特に顕著で、これによりコンクリートのワーカビリティが向上し、必要な単位水量及び単位セメント量を減らすことができます。
通常の減水剤より高い減水機能を有する物に関しては高性能減水剤と呼ばれており、通常の減水剤の減水率が4~6%であるのに対し、高性能減水剤は12~15%程度、配合によっては20~30%程度の減水率が得られるそうです。
○AE減水剤
AE減水剤とは、AE剤と減水剤の両方の効果を併せ持った混和剤の事です。
○高性能AE減水剤
高性能AE減水剤は、高い減水性能と優れたスランプ保持性能を有する混和剤です。
高性能AE減水剤は、コンクリート中でセメント粒子を高い分散力で分散させます。これにより,汎用品であるAE減水剤に比べて高い減水率を得ることができるので、高強度コンクリートや高流動コンクリートの製造に適しています。
ちなみにですが、上記の減水剤・AE減水剤は、「標準形」「遅延形」「促進形」などという種類があります。
遅延型はコンクリートの硬化を遅らせる働きを持っているので、コンクリートの温度が高く、硬化が早く進む夏季に使用されます。
促進型はコンクリートの硬化を促進する働きのほかに、初期強度発現を促進する働きもあるらしく、低温時における初期強度の発現や、型枠の存置期間の短縮のために使用されます。
○流動化剤
流動化剤とは、あらかじめ練混ぜられたコンクリートに後から添加する事で、流動性を高めさせる混和剤です。成分自体は高性能減水剤などとほぼ変わらないようです後から入れるという所がほかの混和剤にはない特徴となります。
○その他の混和剤として
防水効果を与えるもの(防水剤)
空気泡の作用に充填性を改善したり、質量を軽減するもの(起泡剤、発泡剤)
など様々な混和剤があります。
今回はここまで。
以上、建築部の富田でした。