なかがみ地域包括センター新築工事より – 株式会社東恩納組

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2021年8月23日建築部

なかがみ地域包括センター新築工事より

皆さんこんにちは、建築部の富田です。

今回は、ケイ酸質系塗布防水について掲載したいと思います。

そもそも防水工事とは名前の通り、雨水などが建物の内部に入り込むのを防ぐ目的で行われます。

 

建物に水が浸入してしまうと、木造の場合建物を支える柱や梁が腐ってしまいコンクリートの場合だと中の鉄筋が錆びてしまいどちらにしても建物の耐久性を著しく低下させてしまいます。また、雨水はカビや変色の原因にもなります。

防水工事を施すことで、こういった劣化を防ぐことができるのでとても重要な工事といえます。

防水工事は主に屋根や屋上、外壁の目地といった雨水が入りやすい場所に行うことが多く、

外壁目地→シーリング工事

屋根、屋上→ウレタン防水、シート防水

などと防水する場所によって施工方法や材料なども変わってきます。

 

では、ここから「ケイ酸質系塗布防水」について説明していきます。

この工法はウレタン防水などのように防水層を形成するのではなく、コンクリート躯体そのものに防水機能を持たせようという目的があります。

コンクリートは内部に細い管や狭い隙間などがあり、そこから水が染み出てきたりします。そこで、ケイ酸質系の材料をコンクリートの表面に直接塗布することで特殊成分がコンクリート内部に浸透しコンクリートの組織を緻密なものに変化させ、防水性を高めるというのがこの工法の特徴です。

防水材の中から溶け出したケイ酸イオンがコンクリートの中に浸透拡散していき、コンクリートの中にカルシウムイオンと反応して不溶性のケイ酸カルシウム水和物が生成され、この結晶がコンクリートの表層部の隙間を埋めることになります。この反応によってコンクリートの表層は充填され、コンクリート自体の緻密化による防水が可能になります。

メリットとしては、

・コンクリート躯体そのものに防水性を与えるので、他の工法より高水圧に耐えることができる。

・躯体が湿潤状態でも施工でき、作業が簡単かつ安全。

・鏝(コテ)や刷毛(ハケ)、吹き付けで施工することができ、作業性が良好。

などがあります。

高湿度や湿潤状態でも施工できるという点から、地下ピットやコンクリート水槽などの防水に多く使用されるようです。

 

施工方法

①下地処理(Pコンやはつり箇所の処理)と下地の清掃

↑ケレン清掃状況

②十分な水湿しを行う

↑水打ち状況

③鏝や刷毛、吹き付けで防水材を塗布

↑防水材塗布状況

↑施工完了

今回はここまでとさせていただきます。

以上、建築部の富田でした。

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