中小企業振興会館建設事業施設建築物新築工事より – 株式会社東恩納組

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2022年7月28日建築部

中小企業振興会館建設事業施設建築物新築工事より

皆さんこんにちは、建築部の富田です。

今回は、地盤改良について掲載します。

 

まず、地盤改良とは住宅やビルといった建築物を地盤の上に建てる場合や、地盤の掘削、土を建設材料として使う場合に、そのままの地盤では強度が足りないことがあるため、セメント系の固化材を加えることで土質や地盤を改良する工事のことをいいます。

主に軟弱な地盤に建物を建てる際に、地盤の強度を高めるために行われます。

 

地盤改良工法にもいろいろあり、代表的な工法として

・表層(浅層)改良工法

・柱状改良工法

・鋼管杭工法

の3つがあります。

 

【表層(浅層)改良工法】

この工法は浅層改良とも呼ばれていて、地盤の軟弱な部分が地表から2mまでの浅い場合に用いられる工法です。

表層部の軟弱地盤部分を掘削し、セメント系固化材を土に混ぜて十分に締固めて強度を高めます。

バックホウを使用するため、狭小地でも施工でき、さまざまな土質・地盤に適用できます。

地盤状況・攪拌状況を目視で確認できる為、作業効率が高く、工期も短くなり、地盤改良の費用を抑えることができます。

↑セメント攪拌状況

【柱状改良工法】

軟弱地盤が2メートル以上8メートル以下の深さの場合に用いられる方法で、現地の土と液体状のセメント系固化材(スラリー)を混合して、地盤内に円柱状の改良体を造り、建築物を支えます。

この工法は最も一般的に使用されている工法らしく、比較的リーズナブルという点や、支持層(強固な地盤)がなくても施工できる場合があるといった点がメリットです

ただし、シンプルな工法であるがゆえに施工業者の経験値や、技術の差が出やすく、沈下事故発生率が高い工法でもあります。また、特定の地盤(有機質土)においては固化不良が起きる場合があるといったデメリットもあります。

【鋼管杭工法】

この工法は、地中に鋼製杭を垂直に打ち込むことで地盤上の構造物を支える工法です。

軟弱地盤が8mを超える場合に有効な工法で、比較的小型な機械での施工が可能という所や、地中にある支持層に直接荷重を伝えるので、安定性も高いという特徴があります。

ただしこの工法は費用が高くなりやすい点や振動、騒音が出やすいというデメリットもあります。

その他の工法として、私が配属されている「中小企業振興会館建設事業施設建築物新築工事」

で施工したスラリー系浅層混合処理改工法について最後に記載します。

 

【スラリー系浅層混合処理工法】

この工法は、基本的には先ほど紹介した表層改良と同じなんですが、土と混ぜる固化材がセメントではなく、スラリー(セメントミルク)になっています。また、攪拌するバックホウもバケット部分が圧送ホースがついたスケルトンバケットになっており、軟弱土とスラリーを効率よく混合攪拌することができるので、高い品質の改良体を構築することができます。

↑バックホウ(施工機)

↑スラリー注入・混合攪拌状況

今回はここまで。

以上、建築部の富田でした。