新城の建もの探訪 ~大阪編~Part.7~
どうも!
積算部の新城です!
7月に入った途端暑すぎませんッ?
僕はもう我慢できなくて、休日はエアコンを一日中つけっぱなし。
電気代にビビって倒れたら元も子もないですからね!

それにしてもこんな気温の中、現場で動いてる方々には頭が上がりませんよ!
本当にありがとうございます!
それでは大阪編最後の記事、エアコン真下の席から失礼します!!
・中之島美術館
黒ってかなり身近な色ですよね。
車、ファッション、家電やスマホにも選べるカラーの1種には入っています。
でもよく考えてみてください。黒色の建物ってあまり無い気がしません?
雰囲気の問題や風水だったりと様々な理由で選ばれない事もあると思いますが、建築目線で考えてみると、『熱を吸収しすぎて住みづらくなる』が一番の原因だと思います。
それなのに、これを見てください↓

真っ黒。
黒って地味な色のイメージがありますが、黒すぎてもはや派手(笑)
この黒い箱が今回ご紹介する中之島美術館です。
【建物概要】
敷地面積:12,870.54㎡
建築面積: 6,680.56㎡
延床面積:20,012.43㎡
構造:鉄骨造
設計:遠藤克彦建築研究所
施工:錢高組・大鉄工業・藤木工務店特定建設工事共同企業体
2022年開館ということで前回紹介した藤田美術館と同じく、比較的新しい美術館です。
ですが今回は藤田美術館のような一部の人物に焦点を当てた美術館ではありません。
この美術館建設のきっかけは1980年頃まで遡ります。
突然、大阪市に大量の美術品が寄贈されます。
持ってきたのは山発産業(現:シュワルツコフヘンケル株式会社、ヘアカラーの販売が主。)の二代目社長、山本發次郎さんの遺族だったそうです。
多分、遺族の方が残ったコレクションの扱いに困ったんでしょうね。
どれぐらいの数があったのかは定かではありませんが、この件がきっかけとなり美術館の建設計画が実施されました。
その後、様々な理由で美術品が寄贈され始め、美術品取得基金の設立、作品の購入とすごい速さで作品が集まります。
しかし、意外と上手くいかないもので、1998年頃に美術館建設予定地に蔵屋敷跡が発見されます。
さらに市の財政難が起こってしまい、計画は一時中止。
2004年には基金も底をついてしまい、作品の購入すらも止まってしまいます。
さらにさらに、2011年には計画の縮小化、同年に大阪市長になった橋下徹さんが計画を白紙撤回する等、完全にとどめをさされました。(小中学校の給食を補助するために予算削減の対象となりました。仕方ない。)
ですが、寄贈はそのまま続いたとか。
2013年
突然流れが変わります。
美術館建設予定地が実は国から購入した土地だったため、もし購入時の予定を変更したり、そのまま何も建てずにいると超高額な違約金が発生してしまうことが判明!
計画が再再始動することになりました。
2017年
建築設計競技の中で遠藤克彦建築研究所の案が採用され設計開始。
2022年に竣工しました。
最初の計画始動から建物竣工まで実に42年。
その集大成を実際に見ていこうじゃないか!

まず外観から見ていきますが、一番目を引くのはやっぱりこの黒い外壁!
実はこれ近くでよく見ると荒い表面になっているんです。イメージだと浸透性のアスファルトの表面をさらに荒く削ったような感じ。
これは表面を高圧洗浄機で削ったPC材なんです。(ハイブリッドピーリング工法)
もちろん表面の黒はアスファルトではなく対候性の高い塗料を塗っていて、この塗料自体も約20年持ち、メンテナンス時は古い塗料の上からそのまま塗れるという優れものなんだとか。
そしてやっぱり気になるのは、「なぜ外壁の色に黒を選んだのか。」それについて設計者の遠藤克彦さんが答えてる記事がありました。
『中之島の真ん中に色のある建築物を作れば、それだけでメッセージ性を帯びてしまいます。そのことへのアンチテーゼとして、ニュートラルな黒、他のあらゆる色を受け入れ吸収する包容力のある黒を選びました。黒に「したかった」のではなく、黒で「あるべき」だと思ったのです。』(中之島美術館公式HPより引用)
まさかの「目立ちすぎないように黒」という思っていた理由と逆でした(笑)
又、この黒は徹底的に黒として存在すべく、材料に使われた骨材も黒、練り混ぜ時に黒の顔料を入れ、光が乱反射するように表面を荒らし、黒い塗料でコーティングするという徹底ぶり!
だから太陽の光が当たっても吸い込まれそうな黒い色を保ているんですね~。
ちなみに『熱』に関しては外壁が『壁+空間+壁』の3層構造になっており間の空間を空調することで建物内の室温が急激に上がるのを防いでるようです。

そして次に気になるのが建物2階部分。
実は先ほどの写真は2階にある巨大なペデストリアンデッキから撮影したものです。
・ペデストリアンデッキとは、、、
駅前や交通量と人の往来が多い地域等で採用される広場型の歩道橋の事です。
車両や信号と接触することなく近隣の商業施設に自由にアクセスでき、広場になっているのでちょっとしたイベントやベンチで休憩も出来るのが特徴。
さて美術館に戻りますが、
中之島美術館のペデストリアンデッキは広場としての機能が非常に強く、建物周囲には植栽が沢山配置され、一際大きい広場は気持ちよさそうな芝のスペースと宇宙服を着た猫が鎮座しています。
この猫もちゃんと作品なんです。
・SHIP’S CAT
現代美術家ヤノベケンジさんの作品で、昔は猫をネズミの駆除と癒しの為に船に乗せていたことから、『人生という船旅の守り神』のような存在として作られたそうです。
さらにもう一つ、2階で目を引くのは外壁部分がほぼガラス張りなことです。所謂カーテンウォールですね。
トイレ等の水廻りや、機械室、倉庫等をまとめて西側に配置し、道路と広場がある北、東、南面を全てガラスにすることで外から見た黒い外壁の浮遊感や異質さがより際立っています。
それではそのまま中に入っちゃいますかぁ!
(中之島美術館HPより引用)
※【中の写真は一般の方に配慮し、撮影を減らしたため引用が増えます。】
中から見ると2階はほとんど壁が無く、柱とエレベーター、エスカレーターだけの巨大空間になっています。そして中央には3階~1階まで繋がった吹き抜け!
(㈱錢高組HPより引用)
見上げるだけで立ち眩みしそう・・・。
ちなみにこの空間はロビーやエントランスではなく、『パッサージュ』とされているようです。
・パッサージュ
18世紀以降からパリで流行りだした、アーケード商店街のような空間の事をいい、フランス語のpasser(訳:通過する、通る)が語源みたいです。
当時は百貨店の前身として、高級なお店が沢山立ち並んでいたとか。
つまり『パリ版平和通り』ってことですよ。
ちなみにこの美術館のメインはこのパッサージュなんです。
『パッサージュとは、屋内にあって広場のように人々が自由に行き交う空間のことです。市民が気軽に美術と触れ合える、開かれた美術館となるようにと、公募型設計競技(コンペ)でも重要な設計要件とされた空間です。』(中之島美術館公式HP、遠藤克彦さんのインタビューより抜粋)
美術との触れ合いを増やすために、人の出入りを阻害しないよう外壁を設けず、あの広い空間を確保したおかげであの特殊な外観になったようですね。
僕が見学時にはヴィトン展が開催されており、ついでに入場してみました。

↑吹き抜けにはルイ・ヴィトンのロゴが入った展示物が・・・。

ちなみに、1階~2階は普段から誰でも出入りすることが可能で、3階以上は有料になるみたいです。
一応写真OKということで撮影しましたが、

↑激混み!平日なのに!
中に入ると身動きがほとんど取れない!展示物もよく見えない!
まぁそこまでブランドに興味があるわけじゃないんで別に良いのですが。。。
ただ、人の流れは意外と早いんですよね。展示エリア出たところにある限定ショップが原因でしょうけどね。

とにかく疲れました。
実際に今回の大阪シリーズの記事は訪れた場所の順番通りに書いているんですが、個人的には最後のこのヴィトン展が一番疲れましたね。
ただこの美術館は無機質な内装と、外の光が間接的に柔らかく入ってくるのでとても落ち着いた雰囲気があり、大きなイベントが無い日にはとてもリラックスできそうでした。
1階にカフェもあるようなのでかなり利用しやすそうです。
今回の記事で長かった大阪編は終了になります。
今回は2泊3日で7箇所廻っており、3日目は訪れた場所が諸事情で入れなかったのと飛行機の時間が少し早めだったので特に見廻ってないため、実質1日半で7箇所廻るというなかなかなハードスケジュールでした(笑)
次回からはもう少しペース配分を見直さなきゃ。

今後は個人的な目標で年に1階はこういった建物見学をしたいなと思っていますので、またどこか行った際には記事にしていこうと思います。
ちなみに次回分はもう決まっています!
いきなりの東京編です!
出張の合間に見学してきたので物件数は少ないですが、よかったら読んでください!
最後に一番思い出深い画像を貼っておきます。

↑人生初、半日以上胃もたれしたカツ丼です。美味かったです。
以上
積算部 新城でした!













































