同仁病院増築工事より – 株式会社東恩納組

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2019年11月20日建築部

同仁病院増築工事より

皆さんこんにちは、建築部 東江です。

先月31日、世界遺産でもある沖縄の首里城の、「正殿」など主要な建物が全焼しました。

琉球王国時代の500年以上前に建てられ、戦前に3回焼失し、再建後、正殿は大正14年に国宝に指定されたそうです。

しかし、太平洋戦争中の沖縄戦で焼失しました。

平成4年に正殿が復元され、平成12年には、「琉球王国のグスク及び関連遺産群」として世界遺産に登録されました。

今回、5度目の焼失となり多くの県民が衝撃を受けました。

たくさんの方々の協力を得ながら、必ず再建することを信じています。

現在、首里城再建に関する色々な問題点がメディアで流れています。

そのひとつが屋根に使われている赤瓦に関する報道で、同じ瓦を造ることができない。

材料の確保が不可能、職人不足、技術の継承ができていないとの内容です。

赤瓦について調べてみました。

 

赤瓦の歴史

沖縄の瓦というと一般的に赤瓦がよく知られていますが、首里城周辺などの発掘現場などから、灰(黒)の瓦も見つかっており、2種類の瓦が使用されていたそうです。

焼く温度によって色が変わると聞いたことがあります。

その内、灰(黒)の瓦は古くから使われ、寺社や、王侯貴族の城に利用されていました。

現在の赤瓦は沖縄南部一帯で取れる地域特有の『クチャ』という泥岩を使って作っています。
クチャは鉄分を多く含んでいます。鉄分は酸化すると赤くなります。

酸化焼成という方法で焼き上げることで、鮮やかな赤い瓦が生まれるそうです。

一般の住宅では1889年(明治22年)まで瓦葺は禁止されており、赤瓦が広く市中に普及するのはこの禁止令が解かれた後だそうです。

赤瓦は明治初期まで首里周辺で焼かれてきましたが、明治22年の解禁から、製造、製品流通及び建築資材集積で便の良い与那原周辺へと瓦生産の中心が移っていきました。

近年製造されているおもな赤瓦は、首里城で使われている「在来瓦」のほか、「改良瓦」と呼ばれているS型瓦、重ね瓦、断熱瓦、スペイン瓦などがあります。

 

「在来瓦」は古くからある瓦で、雌瓦(ミーガーラ)の上に雄瓦(ウーガーラー)を載せ、その継目を白色の漆喰で塗り固めるのが特徴です。

「雌瓦」

 

 

 

  「雄瓦」

 

 

 

 

「並べた状況」

 

「漆喰で固めた状況」

 

「改良瓦」は赤瓦の雄瓦と雌瓦を一体化させたもの等で、RC住宅などの屋根にも使われています。

1、S型瓦

在来瓦の雌瓦・雄瓦を一体にすることにより、施工時の作業効率を良くした瓦です。
在来瓦に比べて施行時間が短くて済みます。

2、断熱瓦

コンクリート下地と瓦との間にできる空気層を利用して、屋根面を断熱することに特化した瓦です。コンクリート下地専用の瓦です。

 

3、重ね瓦

平らな瓦を屋根面にタイル上に重ねて、沖縄赤瓦特有の朱色を片面的に見せた瓦です。
断熱瓦同様、コンクリート下地専用の瓦です。

 

「重ね瓦の施工状況」

 

そこにあるのが当たり前だと思っていた首里城。

早急な再建を願い、可能なことは協力したいと思います。

それでは今日はこの辺で。

以上 建築部 東江でした。

 

 

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