沖縄県労働金庫新本店新築工事
皆さんこんにちは。建築部の喜瀬です。
今回は現場状況をお見せしながらSMW工法を説明します。
建物を建てるとき、地下室などをつくるために地面を深く掘削することがあります。
でも、ただ掘るだけでは周囲の土が崩れたり、地下水が流れ込んだり、近隣の建物や道路に影響を与えたりする可能性があります。
そこで活躍するのが「山留め」です。
今回は、山留め工事でよく使われる**SMW工法(ソイルセメント柱列山留め壁)**について、現場での作業の流れと、施工時に注意したいポイントをできるだけ分かりやすく紹介します。
そもそもSMW工法って何?
SMWは、**Soil(ソイル=土)・Mixing(ミキシング=混合)・Wall(ウォール=壁)**の頭文字です。簡単にいうと、
「地面の中の土」と「セメントスラリー」をその場で混ぜて、地中に丈夫な壁をつくる工法です。専用の多軸オーガーで地盤を削孔しながらセメントスラリーを注入して、土とセメントを攪拌・混合します。その後、必要に応じてH形鋼などの芯材を挿入して山留め壁として使用します。SMWは山留めだけでなく、止水壁などにも利用されます。
SMW工法の基本的な作業手順
現場によって細かな手順は異なりますが、大まかな流れは次のようになります。
①事前調査・準備
↓
②作業床・ガイド定規の設置
↓
③先行削孔などの地中障害物対策
↓
④SMW機で削孔・混練
↓
⑤セメントスラリーを注入しながら造成
↓
⑥芯材を建て込む
↓
⑦次のエレメントを造成して壁を連続させる
↓
⑧出来形・品質を確認
↓
⑨泥土を処理
↓
⑩掘削後の山留めを点検・計測
1.まずは現場の状態を確認
まず重要なのが、地盤・地下水・周辺建物・地下埋設物などの事前確認です。
特に注意したいのが地中障害物など、昔の建物の基礎、コンクリート片、瓦礫、古い配管などが地中に残っていると、SMWの削孔に支障が出ることがあります。
SMW協会でも、地中障害物が予想される場合は探査掘りを行い、障害物を撤去してから施工することが示されています。
ここでの注意ポイント
- 地中埋設物の位置を事前に確認する
- 地盤調査結果を確認する
- 地下水位を確認する
- 周辺建物や道路への影響を確認する
- 施工機械が安全に設置できる作業スペースを確保する
- 搬入・搬出経路を確認する
特に山留めは、周辺地盤の変形や沈下にも関係するため、事前調査が非常に重要です。国土交通省の基準でも、地盤性状、地下水位、周辺状況、地下埋設物などを十分に調査することが求められています。
2.作業床とガイド定規を準備する
SMW機は非常に大きく重量もあるため、安定した作業床が必要です。
地盤の状態によっては敷鉄板などを設置して、施工機械が沈下・転倒しないようにします。
その後、ガイド定規を設置します。
ガイド定規は、簡単にいえば「壁をまっすぐつくるための案内役」です。
SMW協会の施工手順でも、作業床を造成したうえでガイド定規を設置し、レベル確認やエレメントの位置マーキングを行っています。
ガイド定規の位置がずれていると、その後の壁全体の位置や精度に影響します。
そのため、「たかがガイド定規」ではなく、「SMW施工のスタート地点」
と考えて、位置・高さ・通りをしっかり確認します。


3.SMW機をセットして削孔開始
準備が整ったら、いよいよSMW機をセットします。
ガイド定規に付けたマーキングとオーガーの位置を合わせ、削孔芯や通り方向を確認します。その後、機械を安定させるためにアウトリガジャッキなどを張り出します。ここで大切なのは、機械を無理な状態で運転しないことです。SMW機は大型機械なので、作業床の強度や地盤の状態を十分確認します。


4.土とセメントスラリーを混ぜる
ここがSMW工法の一番のポイントです。
オーガーで地盤を削孔しながら、先端からセメントスラリーを吐出します。
地盤を削る
↓
セメントスラリーを注入する
↓
土とセメントを攪拌する
という作業を繰り返します。
こうして地中にソイルセメントの壁体をつくっていきます。 所定の深度まで到達したら、反復混練などを行い、壁体を均一に仕上げながら引き上げていきます。


5.芯材を建て込む
山留めとして使用する場合、ソイルセメント壁の中にH形鋼などの芯材を挿入します。芯材は山留め壁の強度を確保する重要な部材です。
そのため、
- 所定の位置に入っているか
- 所定の深度まで入っているか
- 天端高さは合っているか
- 鉛直性は確保されているか
などを確認します。SMW協会の施工手順でも、芯材を所定深度まで建て込み、レベル測量で天端高さを確認・調整したうえで固定する流れが示されています。



6.エレメントを順番に造成して壁をつなげる
SMWは、一つの場所だけに壁をつくって終わりではありません。複数のエレメントを順番に造成し、隣り合う壁体をラップさせて連続した壁をつくります。隣同士を重ねながら連続した壁にしていくイメージです。
SMW協会では、連続性と鉛直精度を確保するため、原則として各エレメント端部を完全にラップする施工方法が示されています。 ここで施工精度が悪いと、壁の連続性や止水性などに影響するため注意が必要です。
7.発生する泥土を処理する
SMW工法では、土とセメントスラリーを混ぜるため、施工に伴って発生泥土が出ます。これをそのまま現場に放置するわけにはいきません。
バックホウなどで泥土ピットへ移したり、現場条件によっては汚泥吸排車などで処理・搬出します。 泥土処理では、
- 作業通路を泥だらけにしない
- 重機の走行安全を確保する
- 排水・流出を防止する
- 搬出計画を事前に立てる
- 関係法令に従って適切に処理する
といった点が重要です。
以上がSMW工法の主な作業手順になります。私はSMW工法は今回が初めてで色々勉強しながら監理を行っています。










































