鉄骨造についてちょっと考えてみました。 – 株式会社東恩納組

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2022年2月22日営業

鉄骨造についてちょっと考えてみました。

皆さんこんにちは!営業部の大城です!

営業部に配属になり、はや1ヶ月が経ちました。改めて学びなおす事が多く、日々勉強の毎日です。

また、新型コロナウイルスの猛威もあり、着任の挨拶等は全く行うことができていませんが、時期を見て挨拶をしていき、顔を覚えてもらいたいと思います。

ところで、営業という仕事柄、様々な物件の図面や仕様書に目を通しています。

そこで目についた鉄骨造について、少し深堀してみたいと思います。

そもそも鉄骨造とは?

鉄骨造とは、建物の構造部である柱や梁を、鉄骨の部材を使用して建てられた構造物のことを指します。英名では「Steel Frame(スティールフレーム)」と呼び、「S造」と略されて呼ばれています。

この鉄骨造ですが、以下の2種類に大きく分かれています。

●軽量鉄骨造

使用されている鋼材の厚みが6ミリ以下の鉄骨造を指します。
主に、支える重量が小さい一般住宅等に採用されています。

●重量鉄骨造

使用されている鋼材の厚みが、6ミリを超える鉄骨造を指します。
主に、支持重量の大きい大規模な建物に採用されています。

鉄筋コンクリート造と比べた鉄骨造のメリット

●短工期

鉄骨の加工は工場で行い、現場では組み立てるだけなので、構造部の築造期間が短くなります。
(組み立てるだけと言っても簡単ではありませんが・・・)

●低コスト

構造部に使用する材料が少なく、全体工期も短くなるので、鉄筋コンクリート造と比べるとコストが下がる傾向になります。

●設計の自由度が高い

鉄筋コンクリート造の梁の最大長は、梁せい(梁の高さ)で決まって来ます。目安としては梁せいの10倍が梁の最大長となります。

(梁せいが500mmの場合は、同梁の最大長は5m)

梁を長くしようとすると、梁せいを大きくする必要があり、その分天井が低くなったり、天井スペースを確保するために階高を高くする必要があり、様々な個所に影響が出てきます。

鉄骨造の場合は、鋼材の形にもよりますが、目安として梁せいの15倍~20倍が梁の最大長となります。

(梁せいが500mmの場合は、梁の最大長は7.5m~10m程)

梁を長くすることができれば、その分柱の配置スパンも長くなるので、柱の本数を減らすことができます。

その為、柱が少ない、広々とした居住空間の設計が可能になります。

上記の話だとメリットを多く感じますが、もちろんデメリットも存在します。

▲耐火性が低い

コンクリートの耐火温度が1000℃を超えるのに対し、鉄骨造は500℃程度で柔らかくなり、湾曲し、構造物が崩壊します。

対策として、ロックウール吹付等の耐火被覆工事を別途行う必要があります。

▲錆が発生する

金属である以上、錆は必ず発生してしまいます。

対策として、防錆塗装や亜鉛メッキ処理等を鉄骨そのものに行う必要があります。

▲遮音性や断熱性が良くない

コンクリートは遮音性や断熱性に優れています。また、鉄筋コンクリート造の壁は、柱や梁、天井や床などと一体で築造し気密性が向上するので、さらに遮音性や断熱性に優れています。

しかし鉄骨造の場合、外壁はALCパネルと呼ばれる軽量コンクリート整形材を使用、室内の壁は石膏ボード等で築造していくので、遮音性、断熱性は極端に優れているとは言えません。

対策として、壁と壁の間に遮音材や断熱材等を別途充填する必要があります。

使用される鋼材の種類

鉄骨造とは呼ばれていますが、使用される金属は鉄(iron)ではなく、鋼鉄(steel)と呼ばれる金属が使用されています。また、その鋼材にも種類があります。

※鋼鉄とは純鉄に炭素等を加えた金属で、純鉄に比べ、強度の向上や曲がりに対する粘りがあります。

●SS材(一般構造用圧延鋼材)

Steel Structure の略称です。

鋼材の中で一般的に使用される鋼材です。安価で加工しやすいため、建築だけでなく様々な分野、用途で使用されています。

●SM材(溶接構造用圧延鋼材)

Steel Marine の略称です。※もともとは造船用の鋼材だったので、「Marine(船舶)」となっているようです。

SS材よりも溶接性能を向上させた鋼材です。建物でいうと溶接で結合が必要な梁や柱に使用されています。

●SMA材(溶接構造用耐候性熱間圧延材)

Steel Marine Atmospheric の略称です。Atmospheric は「大気の」等の意味があります。

SM材と比べ、錆を抑制する成分が含むため、耐候性に優れています。

●SN材(建築構造用圧延鋼材)

Steel New Structure の略称です。

SS材やSM材よりも比較的新しい鋼材で、地震時の変形性能を考慮した鋼材です。

地震時の揺れを効率よく吸収するため、降伏比(適度なしなり)が規定されていたり、鋼材中の化学成分にも規定値が定められています。

 

ちなみに、気になった図面には、柱や大梁等、構造的に重要な部位はSN材を使用しており、構造強度がそこまで必要でない小梁や間柱等は、SS材を使用しています。

しっかりと用途に応じた材料を選択されているのが分かります。

 

 

 

上記の内容だけでなく、もっと複雑内容(接合方法だったり精度だったり)が山ほどありますが、今回はこれくらいにしておきます。

本日は以上となります。お読み頂きありがとうございました。

 

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