「浮いている駐車場」 補足 – 株式会社東恩納組

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2015年8月26日営業

「浮いている駐車場」 補足

皆さんこんにちは、営業部の宇江城です。
先の8月21日に弊社の盛島が、沈下した駐車場の改修工事を「浮いている駐車場」と題してブログに掲載していました。

あの記事を、建築に関係のない人が理解するのは少し難しいかと思います。

このブログでは、当現場の地盤の沈下が如何にして起こったのか、また、どの様な改修工事が最適であるのかを分かりやすく説明したいと存じます。

地盤の沈下を来す原因は、幾つかございます。

当現場における沈下の原因は、圧密沈下(あつみつちんか)と呼ばれます。
圧密沈下とは、水分を含んだ地盤(土壌)の水分が抜け、地盤の体積が減少し結果として地表面が下がる現象を言います。

当現場では、雨水などが長い時をかけてコンクリートの僅かな隙間より浸入して土を溶解(とか)し、当初に地盤(土壌)の中の存在した極めて小さな間隙を埋めて地盤(土壌)の体積が減少します。
その結果、地面が沈下します。
駐車場コンクリート下の地表面は、長い年月をかけて当初より50cmも沈下しコンクリートとの間に初めは見られなかった広い隙間(地表面との距離50cm)が生じました。

当現場の地盤の沈下の原因について更に考察を重ねます。

まず第一に、地盤の沈下を生じさせない工事手順について説明致します。
埋戻し(掘り下げた部分を土で埋める)を行う際に、前述した様に地盤は空気と水と土粒子によって構成されているため、空気と水を抜く作業が重要になります。

そのひとつの転圧締固めは、転圧(締固め)機械により圧縮や振動を与え地盤を締め固めていきます。
ファイル 715-1.jpg
土質の種類によっても異なりますが、一般的には巻出し転圧を行います。
巻出し転圧とは、埋め戻す時に土が一定の厚みを持つ様に層状に広げて、段階的に圧を掛けて締め固めていきます。
例えば 1mを埋め戻す際には、巻き戻し土の1層(20cm)毎に5回の圧を掛けて土を凝縮します。
正しい巻出し転圧を行うことで、地盤を締固め沈下を最小限に抑えることが出来ます。

当現場の地盤は、長い年月を要して沈下しており、今後の沈下の恐れは少ないものと判断します。
しかし、念の為に再沈下を防ぐため、弊社では、細心の注意を払い改修にあたり更なる工夫を講じています。

現在、当初の地表面より50cm沈下した土地表面より更に50cmの掘削(地面を掘り下げる)を行います。
その作業により生じた地表より1m下の空間に、土砂とセメントを混ぜて埋め戻しを行います。(土壌改良と言います)
それにより地盤の地耐力(地盤がどの程度の加重に耐えられるか)を向上させて強度を保ちことが出来ます。
地盤を改良した後に、鉄筋を配筋しコンクリート打設(厚さ15cm)を行い工事は完了します。

このように工夫を凝らした正しい工事手順で施工を行うことで、再度の沈下を防ぐことができ安全な駐車場へと生まれ変わります。

当社では、お客様にご満足していただける様に、今後も努力を重ね技術力の高い仕事を行って参ります。
建築や土木に関して、小さなお困りごとでもお気軽にご相談下されば幸いです。

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