コンクリートあれこれ~その14~ 【劣化の補修方法】 – 株式会社東恩納組

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2015年8月27日建築部

コンクリートあれこれ~その14~ 【劣化の補修方法】

こんにちわ☆
工事部のチカラです♪

沖縄では昨日から旧盆に入り、本日はナカヌヒーとなっています。
周囲からはエイサーの太古の音などが目立つようになり、旧盆らしくなってきていますね☆
さて、今回のコンクリートあれこれは、劣化の補修方法について書いていきたいと思います。

コンクリートの劣化状態は前記事の通り数種類あります。
今回はひび割れに対する補修方法を取り上げていきます。
コンクリートのひび割れ方は、劣化要因によって異なるため、あくまでも調査によって補修方法を選定するのですが、今回は代表的な補修方法を、記事に致します。
ひび割れの補修方法は、ひび割れ被覆工法、注入工法、充てん工法などがあります。

【ひび割れ被覆工法】
ひび割れ被覆工法は、微細なひび割れ(一般的に幅0.2㎜以下)の上に、追従性に優れた材料を、ひび割れ部に塗布する工法です。
追従性に優れた材料はポリマーセメントと呼ばれる材料をペーストにしたものや、エポキシ樹脂から成る材料や弾性系の防水材料などが代表的に使用されています。
ファイル 716-1.jpg

【注入工法】
注入工法は、防水性および耐久性を向上させる目的のほかに、使用材料によってはコンクリートの一体化を図ることが可能なため、コンクリート構造物全般に発生したひび割れの補修工法としてもっとも普及されている方法です。
方法としては、注入器と呼ばれるポンプをひび割れ部(0.2~1.0㎜程度)に設置し、エポキシ樹脂やセメント系材料、ポリマーセメント系材料などといった材料をひび割れ部に注入していきます。
ファイル 716-5.jpg

↓注入器
ファイル 716-2.jpg

↓注入作業
ファイル 716-3.jpg

エポキシ樹脂材は、コンクリートやモルタルとの接着性に優れていて、コンクリートやモルタルの一体化を図ることができます。
また、耐久性は約30年が確認されています。

セメント系およびポリマーセメント系の材料はエポキシ樹脂材に比較して安価ではありますが、熱による膨張率がコンクリートに近く、湿った状態でも使用できます。
また、鉄筋に対しての防錆効果もあります。
ですが、注入箇所が完全に乾いた状態にあると、注入途中で目詰まりを起こしてしまうため、注入する前に水を注入するなどして湿った状態にしておく必要があります。

【充てん工法】
充てん工法は、1.0㎜以上の比較的大きな幅のひび割れの補修に適した工法です。
方法は、ひび割れに沿ってコンクリートをカットし、その部分に補修材を充てんする方法です。
この方法は、鉄筋が腐食していない場合と腐食している場合とで異なります。

‐鉄筋が腐食していない場合‐
ひび割れに沿って約10㎜の幅でコンクリートをU形またはV形にカットした後、カットした部分に補修材を充てんする方法となっています。
充てんする材料は、ひび割れに動きがある場合はウレタン樹脂やシリコーン樹脂などを充てんし、ひび割れに動きが無い場合は、ポリマーセメントモルタルを充てんする場合が一般的となっています。

‐鉄筋が腐食している場合‐
この場合、中性化や塩害などが原因となっていることが考えられるので、鉄筋の裏側までコンクリートをはつり(砕いたり、割って除去する事)取り、鉄筋のさびを十分に落として防錆処理をした後、ポリマーセメントモルタルなどの修復材にて復旧していく方法となっています。

↓上段:鉄筋が腐食していない場合、下段:腐食している場合
ファイル 716-4.jpg
今回はこれまで!
次回も劣化の補修方法について記事にしたいと思います。
以上、現場のチカラでした♪

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