新たなる成長のために・・・10 – 株式会社東恩納組

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2017年9月5日建築部

新たなる成長のために・・・10

こんにちは。建築部の具志です。

9月5日(旧7月15日)は、沖縄県では旧盆のウークイです。

沖縄県の行事は旧暦で祝うことが多く、毎年旧暦の7月13日~7月15日までがお盆の日にあたり、1日目を(ウンケイ)、2日目を(ナカビ)、3日目を(ウークイ)と分け祖先の霊をお見送りする日です。

ウートートー

前回、建物の構造体についてお話しをしましたが、今回は「建物と地震」ということでお話しを続けたいと思います。

日本は地震の多いくにです。「阪神・淡路大地震」では、亡くなられたかたの大半以上が家屋や家具の倒壊によって命を落とされたそうです。「関東大震災」以来、日本の『耐震基準』は、地震のたびに改良されてきています。新築時の耐震設計と同時に、既存の古い建物には「耐震診断」を行い、基準に満たない場合には「耐震補強」や「建て替え」を行うことが、『技術』と『制度』の両面で進められてきています。

~建物の耐震性~

建物は、真上からの重さには、柱などで支えることが出来ますが、横からの力には非常に弱くなります。それは、積み木細工ほぼと同じ状態です。

 ※イメージ

そして、横からの力の代表的なものが、「地震時の横揺れ」「台風の時の横からの強風」、ということになります。地震や台風に対して、より強くなるように耐力壁が設けられていてます。

※耐力壁イメージ

梁や柱がどんなに立派でも、耐力壁が足りなければ、地震に耐えることはできません。一見、耐力壁が充分あるように見えても、無理な増改築を行っていたり、構造計算が行わず、「勘」や「経験」に頼って無計画な施工をした建物が倒壊してしまったような例もあるそうです。 耐力壁で大事な事は、「必要な場所に、必要な量の耐力壁が入っているかどうか?」です。建物の隅角部に耐力壁を設け、上下階の耐力壁の位置をできるだけ合わせるようにすることや、建物の重心と剛心が出来るだけ近接するように耐力壁の配置をバランス良く配置することが重要です。

しかし、建物に耐震壁を設けたからといって、まだ安心はできません。地震の程度によっては、横揺れの具合も違います。また、地震の揺れ方も、直下型の場合と、プレート型の地震では破壊力が変わってきます。 実際、阪神淡路大震災の場合、まずは大きな縦揺れが来た為、一般家屋が基礎から「外れて」しまい倒壊に至った、というケースが多くあったそうです。 横揺れに対抗する耐力壁だけではなく、全体を良く点検され、最善の対策を取ることが今後の地震の被害を最小限に留めることになると思います。

最後に、防災には自分自身を自らで守る「自助」と、地域やコミュミニティで助け合う「共助」、そして国や自治体が行う「公助」があります。地震発生後しばらくは、個人レベルでの対策のほか、防災教育やコミュミニティを作りを通じて「自助」と「共助」の相互力を高める活動が必要になってくると思います。

 

今回はここまで。

 

 

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