場所打ちコンクリート杭 – 株式会社東恩納組

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2015年11月12日建築部

場所打ちコンクリート杭

みなさんこんにちは。
工事部の神谷です。

今回も杭工事について書いていきます。
前回のブログでは既製杭工法について書きましたが今回は場所打ちコンクリート杭という工法を紹介致します。
場所打ちコンクリート杭とは、現場で組んだ円筒状の鉄筋を掘削(地盤を掘ること)した地盤の中に落とし込み、後からコンクリートを穴の中に流し込み、固めて杭を形成するものです。
ファイル 769-1.jpg

場所打ちコンクリート杭工法に共通する特長は以下の通りです。
①長所
・ 既成杭工法と比べて低騒音、低振動
・ 杭の耐力が杭寸法、コンクリート強度などの組合せによりある程度自由に設定可能
・ 掘削土から土質状況を目視で確認できる
・ 中間層に硬い層があっても掘削は可能である
・ 鉛直性度が高い

②短所
・ 杭周辺および先端部の地盤が緩むことがある
・ 孔壁が崩壊することがある
・ 孔底の処理が必要である
・ 掘削土砂や廃棄泥水の処理が必要である

一般的な工法ではアースドリル工法、リバースサーキュレーションドリル工法(リバース工法)、オールケーシング工法(べノト工法)の3工法あります。
これらの工法は、それぞれ固有の特長を持っており、土質条件、施工条件、環境条件などにより、使い分けられています。

アースドリル工法
ドリリングバケットを回転させて地盤を掘削、バケット内部に収納された土砂を地上に排土する方法で掘削を行います。
孔壁は、表層部では表層ケーシングを用い、それ以深は安定液で保護します。
掘削完了後、所定の形状に製作された鉄筋かごを孔内に建込み、トレミーでコンクリートを打込むことにより杭を築造します。
ファイル 769-2.jpg

リバースサーキュレーションドリル工法(リバース工法)
リバース工法は、スタンドパイプを建込み、孔内に水を満たすことにより孔壁に対して静水圧をかけ、孔壁の崩壊を防ぎながらドリルパイプを介して土砂と水を吸上げ排出する工法。
掘削後に鉄筋かごを建込み、コンクリートを打設します。
ファイル 769-3.jpg
オールケーシング工法(ベノト工法)
ケーシングチューブを掘削孔全長にわたり揺動(回転)・押込みながらケーシングチューブ内の土砂をハンマーグラブにて掘削・排土します。所定の深さの地盤に達したら孔底処理を行い、鉄筋かごを建込み後、トレミーによりコンクリートを打込み、コンクリート打込みに伴いケーシングチューブおよびトレミーを引抜き回収を行う工法です。
ファイル 769-4.jpg

一般的な採用条件としては都市部での施工の多い建築関係ではアースドリル工法、河川敷や山地近辺で施工の多い土木関係には、オールケーシング工法が多く採用されます。またリバース工法は、建築・土木関係の大深度、大口径杭に採用される傾向があります。

杭工事という工事だけでもこんなに種類があり、本当に建築は奥が深いと日々感じています。
これからももっと勉強して一生懸命日々頑張っていきます。

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